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学生と理事長Q&A 【就任2周年特別インタビュー】

 林真理子理事長が7月1日に就任2周年を迎えた。そこで本紙は16学部と短期大学部の学生から林理事長への質問を募り特別インタビューを行った。質問募集は6月21日から30日まで実施。学生75人から応募があった。

(聞き手=緒方桃子)


<Q&A Index>


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学生からの質問に理事長が回答!

2年間を振り返ると、昨年はアメリカンフットボール部(当時)違法薬物事件などの不祥事がありましたが、理事長を続けられたのはなぜですか。
生産工学部4年

 違法薬物事件の対応で私は間違った判断をおかしましたが、情報がなかったためで悪いことはしていないと思っています。改革が中途半端なまま辞めてしまうのは無責任です。投げ出してしまえば楽ですが、その後の混乱を考えると残った方がいいと思い、続投を決めました。

 2018年のアメフト部の悪質反則問題があった時、自分であればこんな対応はしないと非常に憤りを感じていました。だからこそ就任の依頼があった時、自分であればできるかもしれないと感じ、引き受けました。

 知名度や人脈をかわれて白羽の矢が立ったと思っていますが、それを今までは「理事長・学長セレクト講座」でしか生かせていませんでした。なぜなら、不祥事の事後対応に追われてしまっていたからです。

 それでも、意義のある2年間でした。

 今年度から競技スポーツセンターが設置され、理事長や学長にサポートが入る制度も始まりました。この変化を前向きに捉えています。スピード感を持ちながら改善改革を進めていきます。

 第三者委員会の判断に対して、なぜこんなことを言われなくてはいけないのかとも感じたこともありましたが、今は妥当だったと思っています。

 当時のことを理解してもらうのは難しいでしょう。今は第三者委員会の指摘を真摯(しんし)に受け止めて改革に取り組んでいます。    

理事長になって良かったことは何ですか。
理工学部4年

「人脈」生かし学生元気に

 日々さまざまな案件が生じますが、優秀な職員の方々と力を合わせて課題に対処することにはやりがいを感じています。

 学生に会えることもうれしいです。今年4月には「スマイルキャンパスプロジェクト」を開始。学生たちの笑顔で大学を明るくしたいとの思いから学長と一緒に各学部のキャンパスに赴きドーナツを配りました。

 「学生にドーナツを配って何になるのか」という意見もあるでしょう。しかし、学生とポーズをとって写真を撮影したり、直接会話をしたりできてとても有意義な時間を過ごせました。

 22年10月から始めているセレクト講座は、基本的に私が講演者に直接打診してお話ししてもらっています。

 本学生をもっと元気付けたいと思って取り組んでいる講座です。積極的に挙手して質問する大学生や高校生の姿を見ていると、喜んでもらえているのを実感でき、とてもうれしいです。

 建築家の隈研吾さんにお越しいただいた時には、図書館理工学部分館に隈さんに関係する書籍などが特集展示されていました。

 小さな変化かもしれませんが、自分が理事長になったことで華やいだことを一つ一つ実現していきたいです。    

本学は今後日本の中でどんな立ち位置を目指していくのでしょうか。
法学部4年

ニーズに合った学生輩出

数多くの卒業生を世に送り届けてきたという実績があります。これからは人数の多さだけに着目するのではなく、社会のニーズに合った学生を輩出することができているかが重要です。

 一人一人が個性を持ち、能力の高い学生を輩出する大学にしたいです。セレクト講座で本学を訪れた講師の多くが、学生らの積極的な受講態度や質問の質をほめてくれます。学生のポテンシャルは高いので、それをいかに学生自身や社会に理解してもらうかが大切になってくるでしょう。

 学生ファーストを掛け声倒れにならないように、どうしたら学生に喜んでもらえるのかをいつも真剣に考えています。

 そのためにも理事長として私学助成金の交付再開、一般選抜志願者数の増加を早く実現したいです。    

本学の魅力は何だとお考えでしょうか。
生産工学部2年

今ある魅力社会に伝える

 本学はあらゆる学問分野における学びの場を提供していることが強み。教員も魅力的です。このスケールメリットを生かし、理系、文系の学部の枠にとらわれないカリキュラムを構想しています。

 加えて、高大連携の視点も大切です。高校在学時から大学の授業を受けられるように付属校との連携を図っていきたいと思います。付属校から優秀な生徒に入ってきてもらいたい。

 そして、本学の魅力をもっともっとアピールしていきたいと考えています。

 本学の図体が大きくて、不器用で要領が悪いところも嫌いではありません。そんなところが、私と同じだと愛着を感じます。

 就任時よりも愛校心が高まりました。母校のために全力で貢献したいと思っています。    

本学の社会からのイメージをどのように向上させるのでしょうか。
経済学部3年

 今年度は一般選抜志願者数が激減しました。

 そのため、まず広報活動を攻めの姿勢で進めます。若く意欲的な学長を前面に押し出して著名なクリエイターに新聞広告を依頼しようと考えています。

 私立大学等経常費補助金(私学助成金)の全額不交付という課題も抱えています。いつごろ交付が再開されるか明確には分かりません。

 なるべく早い時期に交付されるように、学長とは車の両輪となって改革に取り組んでいきます。幸い学長とは以前からとても意思疎通ができています。    

本学に在学している間、どのような学生時代を過ごされましたか。
芸術学部4年

自分に何ができるか問う

 1972年に芸術学部文芸学科に入学し、上京後は東京都豊島区の上池袋に下宿していました。

 たくさんの思い出があります。大学1年生の時には、デパートの大丸が募集していた論文コンクールで入選してフランス・パリへ行ったこともあります。

 アパートの近くで買った焼き立ての今川焼を食べながら本を読む時間は至福のひと時でした。

 しかし、たくさんの時間があったのに、どうしてもっと勉強していなかったのかと後悔しています。特に、語学をもっと学んでおけば良かったです。

 教材を購入したものの、手をつけませんでした。英語や中国語、フランス語などを習得したかったです。

 実は歌手を夢見てシャンソンコンクールに応募したことがあるのです。

 今年の入学式に皆さんにお伝えしましたが、「時間がたっぷりあるということは、可能性という道路が、広くどこまでもあるということ。少しうぬぼれてもいい。勘違いしてもいい」のです。大学生時代は自分に何ができるのかを問いかけてみてください。

 大人になってからクラシックやオペラを聞くようになり、音楽は深くて面白いと知ることができました。

 新しいものに出合ったときに、自分自身が空っぽだと何も入ってきません。さまざまな教養に触れて、柔軟に受け入れる感性を磨いてほしいです。    

理事長としてどのような1日を過ごしているのでしょうか。
法学部1年

会議の合間に会談など

 平日は東京・市ケ谷にある日本大学会館に毎日来ています。週末は講演会やオープンキャンパスなどに参加します。

 毎週行われる常務理事会や改善改革会議、月に1回開催の理事会、月に2回開催の学部長会議に出席しています。一つの会議が4時間ほど続くこともあります。会議の合間に会談や事務作業を行い、午後6時前後に日本大学会館を出ます。

 夜は会食が多いです。セレクト講座への登壇を打診することもあります。

 自宅に帰ってからは読書をしたり原稿を執筆したりします。    

会いたいです。
法学部1年

 できるだけキャンパスへ行くようにしています。
 日本大学会館から出ていないと思われてしまうことが残念です。    

学生と七夕祭りでパシャリ

日大生と言ったときに悪い印象を持たれないか心配です。
国際関係学部3年

 大学が悪い印象をもたれていることは申し訳なく思っています。私たちは謝るしかありません。

 自分は本学の卒業生であることを誇りに思っています。学生の皆さんは何も悪くないので胸を張って生活してほしいです。    

芸術学部周辺のおいしいお店は。
芸術学部2年

 学生の頃は喫茶店、居酒屋、ラーメン屋などに行っていました。
 最近では『江古田コンパ』という老舗のパブがまた人気のようで行きたいですね。    

吹奏楽研究会として、ぜひカザルスホールで演奏してみたいです。
理工学部2年

 計画は策定できています。しかし、私学助成金が不交付であるにもかかわらず着工するのは、学内外から反対意見が出るかもしれないと考えています。

 そのため、改修工事を今は休止している状況です。    

今後の抱負は。
経済学部3年

 まずは本学の悪いイメージを払拭したい。完全に改革されたと言われるまでの道のりは長いです。学生の皆さん自身の活躍も本学の評価につながってくるので、勉強もスポーツも頑張ってください。    

最後に学生へのメッセージをお願いします!

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