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違法薬物事件改善計画提出  組織風土に「ムラ」意識

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記者会見に臨む久保利議長(左)、林理事長(中央)、益子委員長

 本学は11月30日、アメリカンフットボール部の違法薬物事件への対応を巡る責任の所在や再発防止策などを含めたガバナンス(組織統治)や競技スポーツなどに関する改善計画を、文部科学省に提出した。
 その中で「強固なムラ社会の意識が原因」と組織風土の問題点を挙げた。これを受けて12月4日に東京・市ケ谷の日本大学会館で記者会見した林真理子理事長は「改善計画を断固たる決意で実行していく」と語った。

アメフット部の存廃審議大詰め

 改善計画は11月16日に設置した第三者委員会答申検討会議(議長=久保利英明弁護士)が策定。12月4日に会見した久保利議長は林理事長の危機管理総括責任者に対する報告不足、酒井健夫学長の監督義務の欠如を指摘。澤田康広副学長には複数の不適切行為で本学の信用と名誉が著しく傷つけられたと指摘してその責任は「極めて重大」と結論付けた。

 トップ層の処遇は11月29日の臨時理事会で、林理事長は減俸50㌫(6カ月)、酒井学長は辞任(2024年3月31日付)、澤田副学長は辞任(23年12月31日付)と決定。

 林理事長は12月4日の会見で「(辞任を)何度か考えたことがある」としながら、改革途中であることを理由に「責務を全うしたい」と表明した。副学長の後任人事は速やかに検討し、新学長を含めた人事刷新も今年度内に進めるとしている。

秘密・排外を招く

 違法薬物事件を巡る一連の不祥事の原因について改善計画は「アメフット部のことはアメフット部内で収める」など「ウチのことはウチで収めるという組織風土」を掲げ、幾層にわたる強固な「ムラ社会」の意識が大きいとした。

 その意識が法人内での情報伝達を阻害し、報道機関への詭弁(きべん)的な報告や虚偽の報告を繰り返す「秘密主義」に直結。さらに学外者を含む評議員、理事、監事に対し必要な情報を全く提供しない「排外主義」を生じさせた。このため、田中英寿元理事長らによる旧体制下の不祥事を受けて改革された制度の機能が発揮されない要因につながったと断じた。

 加えて薬物事件対応に係る第三者委員会(委員長=綿引万里子弁護士)の調査報告書で指摘した本学が「何をすることで社会に貢献するか」との組織の根源について「教育機関としてのパーパス(使命と目的)」が確立していない、「社会から信頼を得るための活動指針(組織の価値「バリュー」)が確立していないことを指摘した。

センター構想検討

 違法薬物使用などの再発防止に向け、健全なスポーツ環境を整備を目指す。18年に設置された競技スポーツ部を廃止して「日本大学競技スポーツセンター(仮称)」構想を検討。

 競技部学生に対する専門性を有した心身サポート体制を整備する。本学として新たにUNIⅤAS(大学スポーツ協会)への加盟も申請する。

 そのほか、競技部学生寮共通の「学生寮規則(寮則)」の策定や寮生活の規律を維持するために「寮監」を配置。全競技部の学生対象の「薬物乱用防止等コンプライアンス研修」の実施や25年度からの競技部学生の入試制度見直し、競技成績基準の統一化、学力面における出願(推薦)要件の明確化などの導入を検討する。

部存廃は学長決裁

 16学部長と通信教育部長で構成される競技スポーツ運営委員会(委員長=澤田副学長)が11月28日にアメフット部の廃止(廃部)とする方針を承認したことに12月4日の会見で、競技部の薬物事件に関する調査及び再発防止策検討委員会の益子俊志委員長は「断腸の思い」で協議したと発言。

 同部の大麻使用者が精査できていないことから「学生に対する安全の確保を担保できない」との理由を示した。同部の存廃については年内にも開催予定の理事会の議を経て酒井学長の決裁により正式決定する。

 また、アメフット部の現役部員や新入生の今後について継続審議するとした。競技スポーツ部はカウンセラーや学部の学生支援室で、大麻使用者とみられる学生支援体制も既に整備している。