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新学長に聞く 大貫進一郎 環境整備し「個」の成長を実現

 酒井健夫氏の学長辞任に伴い、大貫進一郎氏が4月1日に第16代学長に就任した。学務担当の副学長としての経験を生かして、本学の信頼回復へ向けどう取り組むのか。今後の方針を聞いた。

―基本方針と抱負は

 本学の諸問題をできるだけ早く解決して再スタートします。

 私はこれまで「日本大学改善改革会議」の一員として、文部科学省や第三者委員会の指摘事項に迅速に応えるべく、議論に参画してきました。競技スポーツを含む本学の体質改善だけでなく、認証評価不適合、私立大学等経常費補助金不交付の問題も残っています。

 この三つを今年度中に解決することで信頼回復につなげていきたいと思っています。

 また、課題解決だけに終始するのではなく、教育の質をさらに高めるべく、新しい施策にも取り組んでまいります。

―不祥事をどのように受け止めているか

 私は学部・大学院と本学に在籍していました。本学に育ててもらってきたからこそ本学の良さも知っていますので、不祥事が報じられることで関係者のみなさんがどのような思いをしてこられたかは十分に理解しております。

 また、研究室の学生とは近い距離で関わってきましたので、学生たちのつらい思いをそばで感じていました。

 不祥事対応に際し、私は学長の代理・代行者という立場でしたが全ての意思決定の場に立ち会っていたわけではありませんでした。十分に情報が共有されていなかったため適切な判断が下せなかったこともあり、縦割りだけで判断を下す体制はあらためる必要があると考えています。

―体質改善のための取り組みは

 「ムラ社会」の体質を改善するためには縦だけではなく横に対しても常に情報共有することが重要です。

 学長に就任するにあたって、林真理子理事長と両輪で改善・改革、信頼回復を行うことはもちろん、管理運営を担う皆さまや現場の教職員の方々と一体になって大学運営を進めていきます。

 そのためにも気軽に会話できるフリーディスカッションの場を定期的に設け、教学部門と管理運営部門が共に話し合い、常に情報を共有していきたいと考えています。

 これまで度々、コンプライアンスの遵守についても指摘されてきました。この問題については私たち教職員が「学生に対して何ができるのか」という意識を念頭に置き、学生により良い教育を提供する意識を持ち続けていれば、おのずと改善されてくるのではないかと思います。

―本学の魅力は

 多様な存在が共存していることです。16学部が横でつながり、学部や学問分野を超越した交流ができれば、大きなメリットとなります。

 もともと研究の分野では連携できていましたが、教育において十分には生かされていませんでした。例えば「データサイエンス」について学部横断によるオムニバス形式の授業を行うことで、一つのテーマに対する観点や考え方の違いを学べます。そして、多様な学問分野の学生と関わることで、自分の専門分野においても新たな見方や知見を拓くことができるのです。

 また、本学はこども園から大学院までの広いネットワークを有しています。その各種データを収集、分析し、教学DX(デジタル・トランスフォーメーション)を進めていきます。その一つとして、今年度から学修管理システム(LMS)を全学に導入し、学修の個別最適化を目指します。収集した膨大なデータから客観的評価を行い、学生一人一人にあった教育を提供していきたいです。

―学生へのメッセージを

 就任当日に学内へ向けて動画でメッセージを配信しました。

 私はこれまで、情報が直接学生に届く機会が少ないと感じていました。本学の情報発信は今まで対外的なものが先でしたが、これからは学内に対する発信を優先していきます。

 みなさん一人一人がイノベーションを起こし、自主創造を体現できる人材となれるよう、教育環境を整備し、「個」の成長を実現していきます。

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