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【特別インタビュー】レスリング・富山特任教授の生き様が映画化

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7月から都内独占公開

 1984年ロサンゼルス五輪のレスリングフリースタイル57㌔級で金メダルを獲得し、現在日本レスリング協会会長を務める、生物資源科学部の富山英明特任教授(スポーツ科学)。
 彼の生き様を描いた長編ドキュメンタリー作品『夢を喰(くら)う THE WRESTLER』が7月6日から19日まで東京都の新宿K’s cinemaで独占公開される。
本紙は富山特任教授と監督の藤森圭太郎さん(2009年本学大学院芸術学研究科映像芸術専攻修士前期課程修了)にインタビューを行った。

―この映画を撮影するきっかけは。
藤森 ドキュメンタリーの題材を探していた時、当時、日大に勤めていた父から富山さんの話を聞き、自叙伝『夢を喰う』を読みました。そこに書かれた富山さんの生き方に惹かれ、それから間もなく富山さんにお会いして直談判しました。

 ―制作期間が約8年もかかりました
藤森 ここまでかかるとは思いませんでした。リオデジャネイロ五輪が開催された2016年から撮り始め、その年の100日以上カメラを回していました。しかし、富山さんを描くうえで1年では足りないと感じ、その後もひたすらカメラを構え、編集を繰り返し、気づけば8年経っていました。

 この作品に込められたテーマは。
藤森 「一途に生きること」です。本当の意味で一途とはなにか、人は人生に何を求め、何を遺そうとしているのか―。富山さんの生き方を見つめると、そんな問いが浮かび上がってきます。

 ―藤森監督として、富山特任教授の印象に残っている言葉は。
藤森 「悔いなく生きるって、どういう生き方なのだろうか」です。誰だって悔いなく生きたいと思いますし、僕自身、悔いなく生きられるか分かりませんが、この普遍的な言葉が心にささり、考えさせられました。

 

―富山特任教授としてはご自身をテーマにしたドキュメンタリー映画のお話しが来た時、どのように感じましたか。
富山 私は「体育の先生になること」、「五輪に出場して金メダルをとること」「大学の同級生と結婚すること」「自叙伝を出すこと」という4つの夢を叶えました。その夢を果たした先で、自分のドキュメンタリーの映画が作られるなんて考えられませんでした。私にとっても、家族にとってもありがたいことです。

―実際に作品をご覧になったご感想は。
富山 自分が知らない一面がたくさんありました。学生が試合で勝った時や負けた時、私が怒った時、悲しくなった時。自分でも驚くような表情や発言もしていて、新たな発見がありました。
 この8年間レスリング関係者としてリオ五輪や東京五輪にも関わり、大学の頃の担任や父の死にも直面しました。スポーツを通して、子どもは親をどう見ているのか、死をどう受け取るのか…。
 私はさまざまな人との出会いで人生がガラリと変わりました。夢を目指し、実現して後生にまで届けることができました。後悔のない人生を送るとは何なのかを気づかせる映画だと思います。

―お二人それぞれ、学生に観てほしいところは。

藤森 僕は富山さんが一人でいるところを撮るのが好きでした。誰にも見られていない瞬間に富山さんの生き様が凝縮されていると思います。些細なつぶやきにも注目してみてほしいです。

富山 私が一つのことに熱中できた姿をみて、学生の皆さんも何か一つ自分が無我夢中で取り組めることを探してほしい。自分が追いかけ続けていけるものをつかむヒントにしてほしいです。

 とみやま ひであき 
1957年茨城県生まれ。80年本学文理学部体育学科卒。84年ロサンゼルス五輪ではフリースタイル57㌔級で金メダル獲得。現役引退後、本学レスリング部監督やアテネ五輪・北京五輪の代表監督を務める。2021年から日本レスリング協会会長に就任。22年より本学生物資源科学部特任教授。

 ふじもり けいたろう 
1985年静岡県生まれ。2009年本学大学院芸術学研究科映像芸術専攻修士前期課程修了。16年に短編『灯火』、19年にSF短編『diff』、20年に図夢歌舞伎『弥次喜多』(共同監督)。22年に地元三島市の映画制作ワークショップで制作未経験の学生たちと作り上げた『しゃぎり』などの監督作品がある。本作『夢を喰う THE WRESTLER』は自身初の長編ドキュメンタリー作品となる。

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