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松戸歯瀧沢講師ら 卵殻由来のワクチン補助剤

世界で初めて有効活用証明

 松戸歯学部は10月30日、同学部の瀧沢智美専任講師(感染免疫学)を中心とした泉福英信教授(同)の研究チームが、粘膜感染する病気に対して卵殻由来の成分がワクチン補助剤として有効活用できる仕組みを、世界で初めて明らかにしたと発表した。研究内容は同月15日に電子ジャーナル「Scientific Reports」に掲載された。
 虫歯や新型コロナウイルス感染症といった、粘膜感染する病気に用いる従来のワクチンは筋肉注射が一般的。しかし粘膜に抗体をつくれないため、感染を防ぐのは難しかった。また既知の粘膜ワクチンの補助剤に用いられる物質は危険性が高く、ヒトに投与することができない。安全性と有効性を兼ね備えたワクチン補助剤の開発は悲願だった。

 そこで泉福教授は卵殻に含まれるハイドロキシアパタイト(歯や骨の主成分)の生体親和性の高さを活用できないか、研究を進めた。
 そもそもナノサイズの物質は、鼻に入れた時に樹状細胞(免疫を誘導する細胞)が反応する。そのため、ナノサイズのハイドロキシアパタイトにタンパク質を吸着させることで、体が抗原として認識する。そこで目をつけたのが卵殻だった。卵殻は本来廃棄されるため、その有効活用は環境にやさしく安価かつ持続的に入手できるのが特徴。
 ただ卵殻は加熱すると硫化水素が発生し、タンパク質抗原の不安定化を引き起こしてしまう。そのため、硫黄成分を減らしたハイドロキシアパタイトの生成は、ワクチン補助剤として用いる上で不可欠な要素だった。
 そこで瀧沢講師と泉福教授は株式会社バイオアパタイトとの受託研究において低硫酸のアパタイトを開発し、昨年7月に特許を申請。今年2月に承認され、今回の研究の基盤となった。この成果は現在、アメリカ特許へ移行中。より広い範囲で卵殻由来のワクチン補助剤を実現させることを目指している。
 瀧沢講師と泉福教授は「鼻炎の人が鼻にスプレーを吹きかけるような感覚で、予防できるワクチンになれば簡単に感染を防げる。安くて安全性を兼ね備えたものを日本初で出したい」と実用化に向けて今後の展望を語った。

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