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自動車技術会関東支部 川田さんら最高論文賞

本田技研などと共同研究 車いす利用者の負担度解析

 自動車技術会関東支部は3月6日、「2024年度 学術研究講演会」を東京都世田谷区の国士舘大学世田谷キャンパスで開き、25年3月に本学の大学院生産工学研究科数理情報工学専攻修士課程を修了した川田剛資(たかし)さんらの共同研究論文がベストペーパー(最高論文)賞に選ばれた。

  同講演会は自動車技術に関する研究・開発の諸課題を発表し討論する機会を提供することを目的としている。発表件数は71件に上った。
 受賞した川田さんらの論文は本田技研工業やホンダ太陽の研究者との共同研究。論文名は「高H.P.自操車の移乗時における身体的負担度解析に関する研究(第1報)」。
 川田さんは車いす利用者が自操車(肢体不自由者が運転可能な装置搭載車)に移乗する際のヒップポイント(床からシートに着座した時の股関節までの高さ‖以下H.P.)の違いによる身体的負担度の差異に着目。車いす利用者にとってH.P.が高い自動車ほど、移乗する際に転倒のリスクや恐怖心で乗り降りが難しくなることを知り研究を開始した。
 実験ではモーションキャプチャーを使用し、車いすを利用する研究対象者5人の運転席へ乗り込む際の動作データを収集。移乗時の筋負荷の差異を定量的に明示した。
 また、川田さんが所属していた見坐地(みさじ)一人特任教授(数理工学)研究室のオリジナル手法である駆動パワー(単位時間あたりのエネルギー)および角運動量(運動全体を通した筋肉への負担度)について解析。
 右肩関節の伸展屈曲動作時では、H.P.が高い時ほど三角筋への負担がかかる傾向があった一方、H.P.が低い時ほど駆動パワーは大きくなることが判明した。体を持ち上げてから着座するまでの高さの違いから差が生じたと考えられる。
 本研究によりH.P.の違いによる筋肉の負担度の差異に関して、物理量で定量化を可能にした。
 川田さんは「卒業を機に研究を離れてしまうが、今後は車いす利用者が感じる乗りやすさを求めて解析を重ねてほしい。」と後輩に託した。

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