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レスリング・全日本選抜 内田が初優勝

本学関係5人が栄冠

 レスリングの全日本選抜選手権が6月19日から22日まで渋谷区の東京体育館で行われ、女子55㌔級の内田夏(文理1=東京・帝京高)が初優勝、男子フリースタイル97㌔級で吉田アラシ(スポーツ科4=埼玉・花咲徳栄高)が2023年の同92㌔級以来の優勝を飾った。
 また、同86㌔級で石黒隼士(22年同卒=自衛隊体育学校)が2年ぶり、同92㌔級で石黒峻士(20年同卒=MTX GOLDKIDS)が2年連続、女子72㌔級で古市雅子(19年文理卒=自衛隊体育学校)が3年ぶりの優勝を果たした。優勝した本学関係5人は9月に行われる世界選手権に出場する。(文・写真=外﨑功)

吉田は2年ぶりV

 女子55㌔級の内田は予選A組を全勝し1位で通過。決勝トーナメントの準決勝では、中村成実(法政クラブ)を開始4分28秒で11―0のテクニカルスペリオリティ(10点差がついた時点で試合終了)勝ちで決勝へ駒を進めた。
 決勝は予選で勝利した今井佑海(23年スポーツ科卒=自衛隊体育学校)との同門対決。試合開始から両者譲らぬ展開が続いたが、得意とする片足タックルから場外ポイントを奪い先制。その後は今井のアクティビティタイム(30秒間でポイントを取れなければ相手に1点)で内田が1点を獲得し2―0で初の栄冠を手にした。

 男子フリースタイル97㌔級の吉田は今年に入って三つの国際大会で優勝するなど好調ぶりを発揮。予選から決勝トーナメントの準決勝まで順調に勝ち進んだ。迎えた決勝。相手はU20ジュニアオリンピック優勝のリボウィッツ和青(東京・自由ケ丘高3)と対戦。試合開始から主導権を握り相手に隙を与えず2分31秒にフォールで勝負を決めた。

 石黒隼士が出場した同86㌔級は5人総当たり戦。全勝優勝を果たし、昨年全日本王者の白井達也(TeamSSP)と世界選手権代表を決めるプレーオフへ。開始54秒にテクニカルスペリオリティ勝ちを収めた。

 同92㌔級の石黒峻士は2回戦で三井正信(法4=長野・上田西高)と対戦すると、圧倒的な差を見せつけ1分35秒でテクニカルスペリオリティ勝ち。準決勝と決勝も難なく勝利し見事優勝を果たした。三井は3位決定戦に臨み、佐藤秀一郎(慶大3)に4―3で勝利した。

 女子72㌔級の古市は予選A組を2位で通過すると決勝トーナメントの準決勝も勝ち上がり決勝へ。予選で敗れた茂呂綾乃(安部学院OG)を5分58秒にフォールで制した。

 男子フリースタイル57㌔級の永井陸斗(スポーツ科2=埼玉・花咲徳栄高)は初戦の2回戦を勝ち上がるも準決勝で敗退。3位決定戦では中石大(霧島酒造)に13―0のテクニカルスペリオリティで勝利した。

 同125㌔級では3位決定戦で藤田龍星(商4=埼玉・花咲徳栄高)と藤田宝星(スポーツ科1=同高)の兄弟対決が実現。兄・龍星が開始2分33秒にフォールで勝利した。

最後まで攻める

 ○…興奮が抑えきれずガッツポーズ。監督やコーチと抱き合い喜びを分かち合った。内田が1年生ながら〝悲願〟の全日本チャンピオンの称号を手にした瞬間だ。
 「高校生の頃からずっと目標にしていた。うれしい気持ちでいっぱい」と語る内田。昨年の大会は準決勝で今井に敗れている。12月の全日本選手権も決勝まで進んだが、全日本選抜王者・村山春菜(自衛隊体育学校)に阻まれた。

 今大会は村山が階級を下げたため「チャンピオンになるならここがチャンス。自分が絶対に勝つ」と強い気持ちで挑んだ。
 今井とは何度も練習を共にしており、互いの技能は熟知していた。少ないチャンスをものにするには一瞬の隙も見せられない。絶対に相手にタックルを入らせないことを心に決めて試合に臨んだ。
 得意とする片足タックルが警戒される中、予選では今井に1点も奪われることなく4―0で勝利。自信を持って決勝のマットに上がったはずだが、今井と再び対戦することに不安を感じた。しかし、「予選で勝った相手に負けるわけにはいかない」と闘志を燃やした。

 決勝ではすかさず片足タックルで1点を先取。心に余裕が生まれた。逆転を狙う今井がタックルでポイントを狙いにきたが、逃げずに最後まで攻め続け見事に栄冠を手にした。
 「本学レスリング部の女子選手として初の五輪金メダリストになりたい」と思い入学。高校とは異なるさまざまな刺激がある環境で、少しずつ強くなれていると実感している。「結果を残すだけではなく、かつて自分が誰かに憧れたように自分も誰かに憧れられる選手になりたい」と抱負を語った。

五輪で金メダル

 ○…吉田アラシの活躍が止まらない。今大会はアジア選手権王者としての存在感を発揮。向かってくる相手に圧倒的な実力を見せつけた。
 大会に出場する度に優勝を飾り、吉田の勢いに誰も待ったをかけられない天下無双の選手だ。2月のUWW(世界レスリング連合)ランキング大会では、準決勝で2016年リオ五輪金メダリストのカイル・スナイダーを撃破して優勝。自他ともに認める絶好調ぶりだ。

 そんな吉田にも今大会を闘う上でやりづらさを感じる場面があった。吉田が得意とする組み手だ。国際大会では組み手が効いて自信につながった。だが、日本の選手は海外の選手に比べて組み手が上手く、なかなか通用しない。そこで、組み手からのタックルやグラウンドでの攻防などの合わせ技を仕掛けた。
 決勝で闘ったリボウィッツ和青は吉田が1年生の頃から一緒に練習してきた選手。相手はフィジカルが強いため、タックルに警戒して試合を進めた。互いに探り合いながらの展開。最後は相手の裏を突き、タックルを仕掛けてフォールに持ち込んだ。

 「いつ誰が化けるか分からない。用心はしっかりしている」と決して慢心はしない。組み手を中心とした攻撃の幅を広げ、どこまでも進化し続ける気持ちで溢れている。さらに組み手が掛からなかった際の練習もかかさない。
 最終目標は28年のロサンゼルス五輪で金メダルを取ること。「世界へ出て誰と闘っても勝てる。そんな選手になりたい」と、さらなる高みに向けて意気込んだ。

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