待望の神宮復帰だ－。東都大学野球春季リーグ１、２部入れ替え戦が６月４、５日の両日、東京・新宿の神宮球場で行われ、２部１位の本学は１部６位の国学院大に連勝し２００８年秋に２部降格以来、６季ぶりの１部復帰を決めた。
文・写真＝宮崎亮太

　
　国学院大は０８年の秋季リーグ入れ替え戦で敗れた因縁の相手。第１戦は４番の村田穏行（法２＝大阪・ＰＬ学園高）が先制打を含む２安打３打点の大暴れ。投げては先発の吉田一将（同４＝青森山田高）が９回を８奪三振、被安打５、無四死球の力投で完封。投打がかみ合い４－０で先勝した。
　第２戦は相手先発の鷲尾拓也（４）の前に６回まで一人も走者を出せず苦しい展開となったが、七回に１点を返し、２点ビハインドで迎えた九回に打線が爆発した。平五陸（商３＝日大山形高）の右前打を皮切りに、井上彰吾（経済３＝福岡・筑陽学園高）の内野安打で１点差に迫ると、代走から途中出場した谷康士朗（同１＝兵庫・報徳学園高）が公式戦初安打となる走者一掃の右越え三塁打を放ち逆転。５連打を含む６安打を集中し、一挙５点を上げて試合を決めた。
　今季最終週の国士舘大戦では、初戦に先発した吉田が５安打完封で先勝。２回戦も１０－３で完勝した。
　０９年秋就任の仲村恒一監督は、４季目にして初の１部昇格。「うちにはスター選手はいないし１部を経験している選手も少ない。今後は今まで以上の努力が必要」と１部定着に向けて気を引き締めた。２２度の優勝を誇る名門が完全復活へ向けて再スタートを切った。２部の最高殊勲選手に主将の小林健輔（同４＝高松商高）、最優秀投手に吉田が選出された。

　　　　　　　　　１部復帰が決まり喜びを爆発させマウンドに駆け寄る部員
名実ともエース
　○…１部昇格の原動力はエース吉田の活躍に尽きる。４年生の今季、先発で４勝を上げ名実ともエースに成長した。

　　　　　　入れ替え戦の初戦を完封した吉田
勝負強い４番
　○…入れ替え戦初戦の三回、０－０の均衡を破ったのは２年生ながら４番に座る村田だった。
仲村監督３度宙へ　チーム改革　
　１部復帰を決めベンチ前で喜びを爆発させるナインから「仲村コール」が沸き起こった。照れくさそうに仲村監督が現れ、３度宙を舞った。母校の再生を託されて２年。昨春は２部で最下位。３部との入れ替え戦まで経験し、どん底を味わったが、粘り強さが持ち味の“仲村野球”がようやく開花した。

　　　　　　「仲村コール」が沸き上がる