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自転車東日本学生トラック 町田颯が男子スプリント圧勝V 9秒98の大会新記録

本学勢3人が表彰台

 自転車の東日本学生選手権トラックが5月10、11日に長野県松本市の美鈴湖自転車競技場で行われ、本学勢では町田颯(スポーツ科4=栃木・作新学院高)が男子スプリントで優勝を飾った。
その他、新井敬太(商4=広島城北高)が同ポイントレースで準優勝、同ケイリンで小笠原光(文理4=青森・八戸工高)が3位に入った。
なお、今大会は本学自転車部内で風邪が流行していたため、多くの選手が欠場した。24人がエントリーしていたが、12人のみの出場。チームスプリントをはじめ、複数種目で棄権となった。
(文・写真=中道誉悠)

 10日に大会最初の競技として行われた男子スプリント予選。最後に登場した町田は自身初の9秒台で先輩の三神遼矢(2024年スポーツ科卒=127期・福島)が持っていた大会記録を更新する9秒98をマーク。2位に大差をつけ、予選を1位で通過する。
続く一本勝負の4分の1決勝を危なげなく勝ち上がり、本学勢対決となった村上明(経済4=香川・高松工芸高)との2本先取の2分の1決勝も制して決勝へ。決勝でも力強い走りで相手選手を寄せ付けず、ストレート勝ちで優勝を決めた。
同日に行われたケイリン予選には本学勢4人が出場。鶴見健二(経済3‖東京・総合工科高)が10秒65、小笠原が10秒88で予選1、2位とし、2分の1決勝に進出する。しかし、鶴見が2分の1決勝で位置取りを誤り失格に。一方の小笠原は2位に入り、決勝へと駒を進めた。決勝は後方に位置取り、レースを展開。残り1周半となったところでスパートを掛け、一気に先頭に立つ。そのまま逃げ切りを図るも、残り半周地点で逆転を許し3位に終わった。
11日に総勢17人で争われたポイントレースは昨年の同種目5位に終わった新井が出場。ポイントレースはトラックを周回し、5周ごとに順位に応じて得られるポイント数を競う。今大会は25㌔、75周で争われた。
新井は7回目のポイント獲得周で1位に入り、5点を獲得するなど前半にポイントを量産。持ち前のスプリント力を武器に毎周残り4分の1地点で他の選手を追い越してポイントを稼いでいった。
だが、試合後に「病み上がりで体力がなかった」と振り返るように後半に失速。それでも13回目のポイント獲得周では2位に入る意地を見せ、結果は2位に入った。
町田は「予選で9秒台を出すことができ、最後までストレートで勝てたのは良かった」と調子の良さを伺わせた。新井は「練習不足で自信がない中では走れた。インカレまでにはもっと走れるようにしたい」、小笠原は「けがをしていたので練習不足の面が出た」とそれぞれ振り返った。

3度目の対戦へ

 〇…大会記録を更新して優勝を果たした町田。「自己ベストを出すことができて良かった」と話すものの、大きなうれしさはないという。高校以来、意識し続けるライバルにいまだに勝てていないからだ。それは同学年の井出晃太郎(中大4)だ。
彼との初対戦は高校3年時のインターハイ決勝。町田と井出はスプリント決勝で相対した。互いに1本ずつを取り合うも、井出に敗れ優勝を逃した。そこから町田は井出をライバルとして意識するようになった。
大学に入学した町田は1年からインカレのメンバーに選出され、2年時には表彰台に上がるなど早くから結果を残してきた。その頃の自分について「成長している実感がなかった。それでも大会に出れば優勝できていたので楽しかった」と振り返る。しかし、3年に入ると「タイムや数値が伸びて成長を感じられるようになったものの、今度は勝てなくなってしまった」という。
そんな悶々とした日々の中、3回目のインカレを迎える。ケイリンに出場した町田は順調に勝ち上がり、決勝では井出と高校以来の対戦となった。リベンジに燃えたが、結果は井出が優勝。町田は差を付けられての2位に終わった。さらに井出はケイリンの他、スプリントでも優勝を飾り「井出と自分との差に落ち込んだ」と嘆息する。
そのうえ、大会1週間後に腰を負傷。敗戦を引きずったまま練習に臨み、集中力が切れてしまったことが原因だった。2週間の安静を余儀なくされ、練習できない日々が続いた。さらに、けがから回復し、国民スポーツ大会に出場するも初の予選敗退を味わう。競技人生の中で、初めて自転車を楽しめなくなった。
再起をかけて練習全てを見つめ直した。以前からお世話になっている自転車部の外部コーチ・川人将裕さんに教えを請うた。川人さんから教わったことは、競技で必要な筋肉を鍛えるためのウエートトレーニング法。そして地道に練習を続け、6㌔の増量に成功。自転車にうまく力を伝えられるようになった。井出との対戦に備え、得意とする自分からの仕掛けで、相手を一度も前に出させずに逃げ切る戦略に磨きをかけていく。
7月の全日本学生トラックでは井出との対戦が予想される。蹉跌(さてつ)を乗り越え、復活を期した町田の3度目の対戦に期待したい。

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