スキー全日本学生 クロスカントリー栃谷3冠
男子5年ぶり総合優勝
スキーの全日本学生選手権(インカレ)が1月31日と2月19日から23日まで、青森県の大鰐温泉スキー場などで行われ、本学は男子が5年ぶりの総合優勝を飾り、女子は早大に惜しくも1点差で敗れ準優勝となった。
男子は千葉大輝(経済3=札幌日大高)がノーマルヒルスペシャルジャンプで2位となり9年ぶりの表彰台に輝いた。その他複数選手が好成績を収めたが、優勝種目はなかった。
女子は、栃谷天寧(文理3=北海道おといねっぷ美術工芸高)がクロスカントリーで3冠を達成、本田陽菜(同4=北海道・札幌一高)がアルペンの回転で3年ぶりの優勝を果たした。


坂を駆け上がる栃谷
男子はノーマルヒルスペシャルジャンプ(HS87㍍、K点80㍍)で、千葉が1本目に78㍍を飛びトップと4・5点差の3位につけた。2本目では81㍍のK点越えジャンプを見せ、合計222点で2位に。ジャンプ競技での表彰台は9年ぶりとなった。
アルペンの大回転は鏡颯太(文理4=山形中央高)が1本目を全体3位で終える。2本目ではタイムを2秒弱縮めるも合計タイムでトップに0秒03及ばず2位となった。
回転では大橋陵人(経済3=新潟・関根学園高)が1本目を終え全体14位に沈む。だが、2本目を51秒21のトップで巻き返し2位に入った。また、スーパー大回転は鏡が3位入賞となった。
クロスカントリーの1・3㌔スプリントクラシカルでは、小上楓真(文理2=北海道恵庭南高)が予選と準々決勝、準決勝までを順調に勝ち進む。迎えた決勝。笠原将(日体大4)に0秒6差で敗れ2位に終わった。優勝種目はなかったものの、全種目の入賞者ポイントで競う学校対抗では、早大に17点差をつけて5年ぶりの総合優勝を飾った。


K点越えジャンプを目指す千葉(提供=本人)


大回転で力強い滑りを見せる鏡
一方、女子は回転で本田が1本目に順調な滑りを見せ2位につける。続く2本目をトップで終え合計タイムを2位に2秒34と大差をつけ3年ぶりに栄冠を手にした。
また、スーパー大回転で黒岩咲(スポーツ科3=群馬・嬬恋高)がわずかに合計タイム0秒09差で2位となった。
クロスカントリーでは、1・3㌔スプリントクラシカルと5㌔フリーで栃谷と柏原明華(文理3=広島・加計高芸北分校)が力強い滑りを見せワンツーフィニッシュを果たした。栃谷は15㌔クラシカルも優勝し、女子個人種目で完全制覇となる3冠に輝いた。
女子は総合優勝に向け2位の早大に1点リードで迎えた最終日の3×5㌔リレー。1走目の畠山香恋(同2=秋田・花輪高)が4位と出遅れ、1位の早大に大きくリードされる。しかし2走目の柏原が大奮闘。早大と同着1位でアンカーの栃谷に勝負を託した。
栃谷は男女共に総合優勝という快挙へ懸命に滑るも2位でフィニッシュ。総合では早大に逆転を許し、1点差で悲願の優勝には届かなかった。


回転で2位と大差をつけた本田


2種目でワンツーフィニッシュを果たした栃谷と柏原(右)
スピード鍛える 栃谷天寧
初優勝にして個人種目の完全制覇となる3冠を達成した栃谷。「優勝が狙えるレースで気合いの入る大会だった」と振り返る。レース後に仲間たちからの称賛の声を浴び笑顔で応えた。
天候に大きく左右された今大会。栃谷にとっては雪質などの相性に恵まれた。大雪の影響で体力勝負となったが、栃谷は強みである持久力を発揮。レースをリードした。
栃谷は心拍数が設定された練習メニューを取り入れている。ゆっくり長い時間や全力で短い時間など、5段階に設定された心拍数を守ってメニューをこなす。ただ全力でやるだけではなく、どの段階でも自分のペースの中で心拍数をしっかり守ることを意識。この練習を地道に続けたことで持久力を強みにできた。
一方で、今の自分には何が足りていないのか分かっていた。スピードだ。全日本の強化指定選手の合宿や海外へ遠征するたびに、レベルの高い選手のスピードを肌で感じていた。
そこで栃谷は普段からスピードを意識して練習。10秒ほどのショートダッシュやウエートトレーニングで、ジャンプなどの瞬発力を鍛えるメニューを自主的に取り入れた。
夏にはランニングで足腰の基礎体力づくりも欠かさなかった。疲れている中でも自分の実力を最大限に発揮するには体力も重要だ。長く走ったからといって体力がつくわけではない。積み重ねが大切だと感じた。
「もっと世界と戦えるようになりたい」―。今大会で存在感を放った栃谷だが、慢心せずにさらなる高みを目指す。世界のトップ選手と伍して戦うため、スピードだけではなく体力やテクニックなど全てにおいてレベルアップが不可欠と意気込んでいる。
いいものは継続 千葉大輝
「インカレと自分の調子がうまくかみ合った」。そう千葉は振り返る。この言葉が象徴するように本学男子ジャンプ陣は9年ぶりの準優勝。複合(コンバインド)で3位に輝いた。
複合競技を得意とする千葉は、クロスカントリーの練習環境が整っている本学に入学。しかし、初のインカレ出場を前にした1年生の冬、ウエートトレーニング中に腰を故障。1、2年生でのインカレは不振に終わった。
3年生の夏に、腰に影響しないトレーニングに変更。それに合わせてスキージャンプのトレーニングも、前年の2~3倍と増やしていき昨年12月には調子を取り戻していった。
迎えた今大会のノーマルヒルスペシャルジャンプ。千葉は「チームで戦っている」という意識を強く持って臨んだ。普段は個人競技のため、自身のことだけを考え、緊張して力んでしまうことが多かった。しかし、今大会は本学男子の総合優勝が懸かっていた。
「チームのために飛ぶ」―。その心境の変化が絶対に結果を残さなくてはいけないという決意につながった。千葉は昨年の記録から約20㍍も飛距離を伸ばし、本学男子ジャンプでは9年ぶりの準優勝を勝ち取った。
また、翌日の複合競技ではジャンプの助走路での重心の調整に失敗し、思い描いていたテイクオフにつなげることができず、4位スタート。続くクロスカントリーではラストスパートで2位の中大選手にせまる、3位に食い込んだ。本学男子の総合優勝に貢献した。
インカレ後も勢いは止まらない。3月4日に行われた伊藤杯ノルディックコンバインド競技大会では、社会人選手がいるなか見事栄冠に輝いた。「いいものはまず継続。さらに上を目指し、ワールドカップも視野に入れていきたい」と語る千葉。今後の活躍には目が離せない。
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