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フェンシング全日本学生  女子サーブル・フルーレ団体3連覇

男子サーブル団体3年ぶり優勝 女子個人 竹山・菊地V

フェンシングの全日本学生選手権が11月13日から17日まで京都府の大山崎町体育館で行われ、本学は女子フルーレ団体と同サーブル団体で3連覇を達成、男子サーブル団体は3年ぶりの優勝を果たした。個人では女子サーブルの菊地心和(スポーツ科4=岩手・一関第二高)と同フルーレの竹山柚葉(同3=京都・乙訓高)の2人が栄冠に輝き、菊地が今大会の女子最優秀選手に選ばれた。
そのほか、男子フルーレ団体で3位に入った。個人では、同エペで松本龍(文理4=東京・王子総合高)と唐沢颯斗(同3=埼玉栄高)が3位タイ、女子サーブルで高橋ひかり(同4=愛媛・三島高)が2位、金子優衣奈(同3=東京・麹町学園女子高)が3位、同フルーレでは竹沢志緒里(スポーツ科4=京都・乙訓高)が3位に入った。 (文・写真=荘田節、佐藤貴行)

15日に行われた女子フルーレ団体は、準決勝で日女体大と対戦。1セット目から1―5とリードを許すも、4セット目で竹山が4点差をひっくり返し20―17と逆転。その後も点差を広げ、45―28で勝ち越した。決勝の相手は中大。3セット目で相手に攻め込まれ6連続失点するも、圧倒的なチーム力でカバーし合い45ー39で3連覇を果たした。
16日の男子サーブル団体では、10月に行われた関東学生選手権で優勝した法大と準決勝で対戦。試合中盤、9点差と大きく離されるも斎藤虎ノ介(法1=青森・黒石高)が7セット目で果敢に攻め込み、12点を取り35―34と逆転。最終セットでは日本代表の小久保真旺(4)に対し、岡村怜音(文理2=鹿児島南高)が大奮闘を見せ4連続得点で再逆転。45―43で決勝へと駒を進めた。
迎えた相手は3連覇を狙う中大。本学は逆転した勢いそのままに積極的に攻め込み、強豪相手に一度もリードを許すことなく45―39。6点差をつけ3年ぶりとなる悲願の優勝をつかんだ。
最終日に行われた女子サーブル団体は、準決勝で朝日大と対戦。5、6セット目は1点差と接戦が続くも試合後半に菊地が5連続得点と安定した攻撃力を見せて45―37で勝ち進んだ。
決勝の相手は法大。一進一退の攻防により2点差で迎えた最終セットの相手はパリ五輪銅メダリストの尾崎世梨(4)。金子が4連続得点で引き離すも尾崎の粘り強いプレーで44―44の一本勝負に。最後は、金子が大きく踏み込んで突きを決め3連覇を果たした。
大会初日に行われた女子フルーレ個人では竹山が準決勝を15―6で快勝する。迎えた決勝では飯村彩乃(慶大1)と対戦し、15ー9で初優勝に輝いた。
15日の同サーブル個人は、準決勝で菊地と金子の本学勢対決に。菊地が落ちついたプレーで7連続得点を見せ15―5と圧勝。決勝では本学女子キャプテンの高橋と対戦。試合冒頭、高橋がリードするも、菊地が怒涛(どとう)の追い上げを見せ、15―12で2連覇を果たした。

不屈の精神で5冠へ

◯…女子サーブルで個人・団体ともに優勝、今大会の女子最優秀選手にも選ばれた菊地は「うれしいと同時に安心した」と穏やかな表情を見せた。
最終日に行われた団体戦。それまで本学の同サーブル団体チームはタイトル3冠(関東学生リーグ戦・王座・関カレ)を達成。四つ目のタイトルである今大会も、優勝を確信していた。しかし、決勝では法大と接戦を繰り広げることになる。
3点差で迎えた6セット目。菊地はパリ五輪銅メダリストの尾崎世梨(法大4)と対戦するも、相手の大胆かつ正確なプレーに攻め込まれる。
菊地の課題は「感情コントロール」。相手チームの声援が大きくなる中、終始冷静なプレーを続けリードを保ったまま次のセットへとつないだ。
そして最終セット。再び尾崎からの猛攻撃で44―44と詰められる。しかし、アンカーの金子が一点を決めきり、3連覇達成の快挙となった。
普段は外部のトレーニングセンターで練習している菊地。チームとしての練習が十分にできず、不安が大きく募っていた。そんな中で大会覇者というプレッシャーをはねのけての勝利だった。
「仲間が一点一点を積み重ねてくれたおかげで勝てた」―。菊地は試合を振り返り、改めて「優勝」の重みを実感した。
次の舞台は12月20日から行われる全日本選手権の団体戦。本学チームにとっては5冠に向けての出発だ。「小さなミスを減らし確実に点を取り切る」と菊地。王者としてのプレッシャーを自信に変え、大舞台へ突き進んでいく。

後輩たちに託した優勝

○…「人としても大きく成長できた一年だった」。今年をそう振り返ったメンバーがいる。
4日目に行われた男子サーブル団体戦。ピスト(コート)脇で、1回戦から選手たちに熱い声援を送り続けていた。男子キャプテンの樋渡(ひわたし)怜大(れお)(法4‖鹿児島南高)だ。
昨年のジュニアワールドカップで個人・団体ともに優勝。全日本学生選手権(インカレ)では個人優勝を果たした。
しかし、今年6月に前十字靭帯(じんたい)を損傷。アジア選手権に初内定が決まった直後のことだった。全治1年の長期離脱。「競技人生の中で一番落ち込んだ」と怪我した時期を苦々しく思い返す。
今年が最後のインカレ。樋渡はキャプテンとして今の自分に何ができるかを悩んだ末、チームメートのサポートに徹することを決めた。
男子サーブル決勝戦の相手は3連覇を目指す中大。5セット目で1年の斎藤が23―22と迫られる。「自信持って」「プレーは間違ってないよ」とベンチから熱い言葉を投げかけ続けた。
最終セットを担うのは準決勝で活躍を見せた2年生の岡村。何度も伝え続けてきた「自分を信じろ」という言葉。岡村はプレッシャーに屈することなく戦い抜き、見事45―39で団体優勝。樋渡は選手たちに駆け寄り抱き合ってたたえた。
2年間負け続けた相手に6点差をつけて勝利。3年ぶりの優勝を叶(かな)えたのは、支え合った後輩たちだった。
「努力した分だけ返ってくるのがスポーツの面白さだと思う」―。樋渡は2028年のロス五輪出場に向け、過酷なリハビリを続けている。目指すは個人と団体の制覇。けがを乗り越え成長したその先に、「世界一」の座をつかみにいく雄姿が見られるだろう。

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