野球部・谷端将伍選手~東都首位打者/本紙単独インタビュー~
今年の東都大学野球春季リーグで6勝7敗の4位に終わるも、青学大から6年ぶりの勝ち点を獲得した本学野球部。その立役者として打率3割2分7厘と打ちまくり本学選手として8年ぶりの首位打者に輝いたのが谷端将伍(経済3=石川・星稜高)。2季連続のベストナインにも選出されるなど飛躍のシーズンとなった。そこで本紙は谷端選手にインタビューし、今季ブレイクした要因や本学を選んだ理由など、26の質問に答えてもらった。

悔しさが残るシーズンに
―今季を振り返って。
昨秋はあと1勝というところで優勝を逃しました。自分も試合に出場していたので悔しさがあり、絶対に今季は優勝するという思いが強くありました。しかし、結果は4位。悔しさが残るシーズンになりました。
個人としては昨秋にベストナインを受賞し、今季もベストナインを取ること。加えて首位打者を取ることも目標にしてきました。その目標が達成できたことは自信になります。
―今季、飛躍を遂げた要因は。
練習面で言えば昨秋が終わってからティーバッティングの練習を減らし、ピッチャーが投げてくるボールを打つ練習を増やしました。その結果、自分の打ち方を固められたのが良かったのだと思います。
それ以外にも自主練習の際に課題を潰すために、毎日練習内容を決めて、それを終えてから上がることを続けました。そういった練習への姿勢の変化も活躍に結びついた一因だと思います。
―今季は多くの試合で3番を打たれていましたが、打順にこだわりはありますか。
特にどの打順が打ちやすいというのはありません。監督から任された打順で結果を残し、チームに貢献したいという思いだけです。
―青学大戦に勝利したとき涙を流されていました。どのような思いだったのでしょうか。
青学大に16連敗していることは分かっていました。さらに昨秋は青学大に勝てずに優勝を逃して、一番強く勝ちたいと思う相手でしたから。
また、昨秋の負けた試合は自分が3番バッターでした。その試合のチャンスで打てなかった分、今季は逆に自分の本塁打で勝つことができたのがうれしかったです。

対青学戦の連敗を16で止め、涙を見せた
―今季、最も印象に残っている試合は。
チーム全体でいえば、青学大相手に連敗を止めた5月16日の試合です。個人としては4月8日の亜大との開幕戦。2打席連続で本塁打を放った試合です。自分でもすごく驚きました。初戦で打つことができた分、自信を持って今季を戦えました。

今季は開幕戦から2打席連続弾を放つなどチームを引っ張る活躍を見せた
―今季の最終打席で首位打者を獲得しました。あの打席はどのような思いでバッターボックスに立ちましたか。
2安打以上打たないと首位打者を獲れないのは分かっていました。ただ、チームのことだけを考えて自分の結果は捨てて、間を抜く打球を打ちたいとの思いだけでした。
―2打席連続弾を放った4月8日の試合の囲み取材で、ウエイトトレーニングの成果が出たとおっしゃっていました。具体的にどのようなトレーニングをしたのですか。
体重を増やしたり減らしたりはしていません。野球で生かせる筋肉をつけられるよう、トレーニング内容を工夫しました。特に下半身のトレーニングを重点的に行いました。下半身を鍛えたことで飛距離も伸びましたし、どっしりと構えられるようになりました。
―昨季終了後、どのような課題をもって冬の練習に取り組まれましたか。
昨秋は長打が少なかったので長打力を上げるためにバッティング練習の取り組み方を変えました。守備面では捕球ミスが多かったので捕球ミスゼロを目指して取り組んできました。
―逆に今季を終えて見つかった課題はありますか。
今季はサードでの捕球ミス0だったものの送球ミスが多くありました。秋季は失策なしで打撃ではピッチャーを助けられるようになりたいです。
―今季はサードだけではなくショートも守っていました。守備にはどのような思いを持っていますか。
「取れるアウトを取る」というチームのテーマの下、エラーを恐れず積極的なプレーをしていきたいと思っています。
守備位置に関しては、将来を考えるうえで複数ポジションを守れるようになりたいと考えています。サードはピッチャーに近く声をかけやすいという面もありますが、ショートで内野全員をまとめたい思いもあります。どこのポジションを守っても常にチームを引っ張っていきたいです。

守備でも秋はチームを盛り立てたい
―3試合で本塁打を放ちましたが、囲み取材ではどの試合も本塁打を打ってやろうという気持ちで打席に入ってはいないとおっしゃっていました。毎打席、どのような意識で打席に入っていますか。
本塁打を狙わず、とにかく後ろのバッターにつなぐことを考えて、甘い球が来たら絶対に間を抜いてやるという思いで打席に入っています。
―市川祐投手は谷端選手を「頼りになる選手」として話していました。谷端選手から見て市川投手はどのような選手ですか。
普段はすごく仲が良く、いじりあったりしています。野球になると僕も頼りにしますし、ポジションは異なりますが一番頼もしい選手です。この前一度だけ対戦しました。その時は打てなかったので、もう一度対戦する機会があったら絶対にホームランを打ちます。
―3年生になり後輩も増えたと思いますが、気持ちに変化はありますか。
実力のある選手が多いので下からの突き上げを感じています。「誰にもレギュラーの座を明け渡さない」「絶対に負けない」という気持ちが強くなりました。
―ご自身の選手としてのアピールポイントはどこだと考えますか。
バッティングはもちろん、肩の強さも売りの一つです。遠投は115㍍です。
―谷端選手が思う今後の成長が楽しみな後輩、同学年の選手はどなたですか。
米津煌太選手(スポーツ科1=大垣日大高)です。普段すごく仲が良くて、向こうから話しかけてきますし、かわいい後輩です。野球に関しても1年の春から試合に出ることはすごく大変だったと思います。それでも本塁打を打っていますし、走攻守すべてで一番期待できる楽しみな選手です。
―試合前のルーティンなどはありますか。
あまりルーティンをつくらないように試合前もいつも通り生活しています。ただ、打席に入る前は緊張して体が固まらないようにストレッチをしています。

1年春から本塁打を放つなど活躍を見せた米津
日大野球部は仲が良く雰囲気の良いチーム
―野球を始めたきっかけは。
テレビで甲子園を見たことがきっかけです。父親も野球をしていた影響もあると思います。
―本学を選んだ理由は。
僕が大学を選ぶときはまだ2部にいたので1部に昇格させたいという思いと、部員が多い中で切磋琢磨してレギュラーを取ってやりたいという思いから選びました。
―本学野球部はご自身から見てどのようなチームだと思いますか。
上下関係も厳しくなく、1年生から4年生までみんな仲が良く雰囲気のいいチームです。そしてメリハリもあります。もっと一つになれれば、日本一も目指せるチームだと感じています。
―片岡昭吾監督については。
他の監督と比べて少し変わった雰囲気を感じるときもありますが、すごく的確なアドバイスをしていただいています。特にバッティングについては体重移動や下半身と上半身の連動性などを具体的に教えてくださり、自分の長打力も上がったのだと感じています。

ベンチは常に明るい雰囲気が漂っている
プロを目指して
―これまで対戦経験のある中で最も印象に残っている選手は。
昨秋のリーグ戦で対戦し、現在は巨人で活躍する西舘勇陽選手など、東都から出た昨年のドラフト1位指名を受けた6人はとても印象に残っています。6人とも試合前はすごく怖かったですが、打ち崩すことができて自信になりましたし、今春の結果につながったのだと思います。
―目標とする選手は。
東京ヤクルトスワローズの内山壮真選手です。星稜高時代の一つ上の先輩で、ずっと一緒に練習してきました。全てにおいて尊敬できる先輩でバッティングの対応力などは参考にしています。忙しいと思うので連絡はあまり取りあっていませんが、年末年始に帰省した時は一緒に練習をして、バッティングを教わったりバットや服などをいただいたりしています。
―今後対戦してみたい選手は。
東京ヤクルトスワローズの奥川恭伸投手です。奥川投手も高校の先輩で学年が被ってはいましたが、対戦したことはなかったのでいつか対戦してみたいです。
―卒業後の進路については。
もちろんプロを目指しています。野球をしている以上、プロ野球選手を目指したいですし、たとえなれなくても社会人野球などで野球を続けたいとは思っています。
―今秋に向けて意気込みを。
チームとして青学大を倒して日本一になるという目標は全員同じです。個人としてはタイトルを取ることと、打率で春季の3割2分7厘以上の3割5分、4割を目指したいです。
―応援してくれている方にメッセージをお願いします。
とにかく僕たちは一生懸命プレーするだけなので、全力でやっている姿を見ていてください。そして、秋は日大を日本一に導きます!
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