先生教えて! 山火事 串田圭司教授
大規模化を自分事と思って日々意識する
近年、世界中で大規模な山火事が多く発生している。日本でも今年4月22日に岩手県大槌町で山火事が起き、鎮火までに38日を要した。森林が国土面積の約7割を占める日本にとって山火事の大規模化は深刻な問題だ。なぜ昨今の山火事は大規模化することが多いのか。生物資源科学部環境学科の串田圭司教授(地球環境学)に話を聞いた。

くしだ けいじ 1996年東京大学大学院農学生命科学研究科農業工学専攻博士課程修了。日本学術振興会特別研究員などを経て2013年本学生物資源科学部准教授。16年より現職。
Q 大規模化する原因は。
A 主な原因は乾燥と強風の組み合わせです。乾いた木や落ち葉など燃えやすいものに火が付きそこに強風が重なると火事はすぐに広がります。また、杉などの針葉樹は油分が多く燃えやすいので針葉樹の多い山は大規模化しやすいのです。さらに山の高い所で火事が発生した場合に起きやすいのが飛び火。強風で火の粉が離れた場所に飛んで被害が拡大することもあります。
Q 大規模な山火事が増えている理由は。
A 地球温暖化が大きな要因です。気温が上がると空気中に含むことができる水分量が増えるため地上の水分を多く吸い上げます。そのため乾燥が今まで以上に顕著です。また、日本では、十分な手入れができていない山が増えています。そういった場所では落ち葉が大量に堆積しているため大規模化のリスクが高まるのです。
Q 日本で山火事が大規模化したときのリスクは。
A 日本の山火事の発生率は他国と比べると低いです。しかし山火事が起きると大きな被害につながるのが日本の特徴。発生率が高い国では日本の国土の数分の1が燃えることもありますが、近くに住宅がない地域で起きることが多いため直接的な被害は少ないのです。一方、日本では住宅地に隣接した山林で発生するケースが多い。そういった意味で山火事が大規模化した時のリスクは世界のどの地域よりも高いと思います。
Q 私たちにできることは。
A まず、昔の感覚を捨てることです。バケツ1杯で対処できた時代とは状況が全く異なります。また、山火事は遠い地域だけの問題ではありません。シベリアの山火事による煙害が日本に届いた例もあり、地球温暖化が進めばこうしたリスクはさらに高まります。山火事の大規模化を自分事として捉え、気候変動に真剣に向き合うことが、私たちにできる最も重要なことだと思います。







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