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DFAT細胞で世界初  ―医―  松本教授ら研究チーム

変形性膝関節症患者へ移植

 医学部は6月19日、同学部の松本太郎教授(細胞再生・移植医学)ら研究チームが同月3日、同学部附属板橋病院で、DFAT細胞による変形性膝関節症の患者への細胞移植を世界で初めて実施したと発表した。

 変形性膝関節症は、加齢や過度な負担により膝関節の軟骨がすり減ることで、痛みや可動域の制限が生じる病気。従来の治療は鎮痛薬の使用や運動療法といった保存療法のほか手術療法があった。
 近年では、患者自身の細胞を用いて軟骨の回復を促す細胞治療が注目されている。その中でよく使われる細胞が間葉系幹細胞だ。これは患者自身の骨髄や脂肪から取り出して培養できる細胞で、軟骨を作ったり炎症を抑えたりする働きがある。

 一方で、間葉系幹細胞は加齢とともに数が減少していく。そのため、患者の年齢や病状によって個体差があり、品質や効果にばらつきが生じる課題があった。この課題を解決できる可能性を持つのがDFAT細胞だった。
 DFAT細胞は生物資源科学部の加野浩一郎教授(細胞・発生生物学)が開発。同細胞は、患者自身の脂肪組織から取り出した成熟脂肪細胞を天井培養という特殊な方法で作られる。加野教授はもともとマウスなどで研究を進め、ヒトに応用できるのではないかと考え、松本教授との共同研究に至った。

 成熟脂肪細胞は脂肪組織に多く存在し、患者の年齢や病状に影響されにくい利点がある。また、DFAT細胞は高い増殖能と多分化能を有し、間葉系幹細胞と似た性質を持つ。さらには、少量の脂肪から品質の高い細胞を大量に作られるといった特長もある。
 この研究では、患者から10㍉㍑の脂肪を採取し約3週間かけてDFAT細胞を製造。その後は同細胞を患者の膝関節に移植する。現在は臨床研究の段階で、5人の患者を対象に安全性や有効性について評価していく。

 松本教授は「DFAT細胞治療は、現在実施されている細胞治療を置き換えるポテンシャルがある。一般医療として広く提供できるようにしたい」と展望を語った。

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