医学部100周年 木下浩作学部長インタビュー
「キャリアパスが描ける教育を」

きのした こうさく 和歌山県生まれ。62歳。87年本学医学部卒。91年本学大学院医学研究科脳神経外科学修了。2012年から医学部教授。22年4月から現職。
―100周年を迎えた思いは。
100周年という素晴らしい瞬間に医学部を代表する立場なのだと実感しました。
歴史をたどると戦地へ出兵する人を送り出している写真が残っており、この場所から戦地へ行った人もいると思うと感慨深いです。
現在の付属板橋病院は建設された1970年当時に「東洋一の大学病院」とも称され、学生時代の大きな自慢でした。
―どのような教育や人材育成を目指していますか。
医学部の教育理念である「醫明博愛(いみょうはくあい)」は医学・医療に光を当て、病める人々に真摯(しんし)に向き合う姿勢を表しています。
この教育理念をもとに、三つの柱である「良き臨床医」「優れた医学研究者」「熱意ある医学教育者」の育成を使命としています。
また、学問だけではなく患者に向き合う医者として必要な人間力の育成に努めています。
―板橋キャンパスの整備構想が進められています。
すでに仮設校舎の建設工事が始まっています。学部棟と板橋病院の基本構想はできていて、現在は細かな部分を設計図に落とし込んでいく段階にあります。
一方、建設費高騰に伴い計画の見直しが今後必要になってくると考えています。
本学医学部は基礎医学と臨床医学を同じキャンパスで学ぶ、都内の医学部では珍しい全学年が集まる学び舎なのです。
学生同士が多くのつながりを持ち深い絆を築き上げることができるように、この利点を生かした計画を立てていきたいと思っています。
―安心して学び、成長できる環境整備とは。
医学部卒業後はほとんどの学生が医者の道へと進んでいきます。医者としてどのようにやっていくのか不安を抱く学生が少なくありません。
大学病院や市中病院、開業医、研究医などさまざまな選択肢の中から将来自分がどの道に進むのか、キャリアパスを描けるような教育をしていかなければならないと思っています。
―総合大学である本学の強みを生かした取り組みは。
医学分野と他の分野が融合すれば研究の幅が大きく広がるため、新たな分野の開発が可能になり社会貢献へとつながります。
現在も教員同士の学部間連携は行われていますが、大学全体で連携できる仕組みがまだありません。
本学本部がこの仕組みづくりを担ってくれていますが、国内最大規模である本学が学部や法人を交えて常に情報を共有し連携できるようになれば、爆発的に本学の良さが生まれると思います。
―次の100年に向けた構想は。
良い環境を整えて次の学生たちに引き継いでいくことが私の役割です。
キャンパス整備の最中で設計図を引いている段階ですから、線の引き方によってどのような形で残せるか変わってくるので一生懸命頑張っています。
これまでの100年間続いてきたものを次の100年につなげていかなければなりません。
現在、本学全体として新たに飛び出していこうとしている成長期にあります。医学部もその一つとなり、あらゆることを突破していく原動力になれたらと考えています。
―学生にメッセージを。
自分が何をしたいのか目標を持ち、その目標に到達するための人生の計画書を作ってもらいたいと思います。
目標に到達するまでの間に多くの波がやってきます。大波や小波が来ても常に物事を前向きに考えながら、チャンスが来た時にその波に乗れるように知力と体力をつけてください。
チャンスは必ず来ます。逃さないように準備しておくことが肝要です。
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