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25年卒就活 採用早期化が急加速 4月末の内々定率は64%に

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 2025年3月卒業・修了予定者を対象とした企業の早期採用が急加速している。本紙では10学部にアンケートを実施、就活生の悩みや相談について調査し今後の就活に対するアドバイスなどをまとめた。

 総合情報サービスのマイナビによると、25年卒業予定者の4月30日時点の内々定率は前年比12・3%㌽増の64・3%と大幅に上昇。文・理別の内々定率は文系が同10・7%㌽増の57・2%、理系は同14・9%㌽増の75・6%と企業の採用早期化が加速している。

 同社・キャリアリサーチLab研究員の中島英里香さんは「インターンシップなどを通じて学生のキャリア観が早期から成熟し、人手不足などを背景に早く選考を行いたいと考える企業が増えている」と早期採用の実態を分析する。

 同社が3月に実施した学生就職モニター調査によると、学生が第一志望の業種として選んだ業界は「ソフトウエア・情報処理・ネット関連」が14・2%と最も多い。文・理別でも同業界が文系で14・5%、理系で13・8%と共に1位だった。

 本紙は5月前半に10学部の就職指導課へアンケートを実施。採用早期化が進む中で学生の相談内容について聞いたところ、大学3年生からは「企業や業界の絞り方が分からない」などの悩みが多かった。

 大学4年生からは「早期に内定が出た企業の内定式に参加したが、想像と違った」と就職活動をやり直したケースもあったようだ。その他、「周りの友人や他大学生の動向が気になる」「内定をもらった企業から早く返事を求められる」など採用早期化に伴う戸惑いの声も散見された。経済学部キャリアセンター(就職指導課)は「自発的に情報収集して見極めていくことが大切」と就活生に呼びかけている。

 一方、就職後に企業とのミスマッチで退職する状況も深刻だ。厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況(20年卒業者)によると、20年3月大学卒業者の3年以内の離職率は32・3%。前年と比べ0.8%㌽増。1年目の22年卒業者の離職率は前年比0・3%㌽減の12・0%。いずれも例年と同様に定着率は高くない。

 本部学生部就職課は「オンライン化も進んでいるが、対面で話を聞くことが重要。自分に合わないからすぐ辞めるのではなく、合わない部分があっても頑張っていける会社を見つけてほしい」と話している。

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