よりみち日和 ㊸NHK放送技術研究所
歴史と未来に触れる

小田急線「祖師ケ谷大蔵駅」南口を出て歩くこと18分。緑に囲まれた閑静な住宅街の一角に「NHK放送技術研究所」が見えてくる。
同研究所は1930年の設立以来、テレビ放送の実用化やハイビジョンの開発など、日本の放送技術を長年にわたって支えてきた研究施設だ。
研究所内に入ってまず目に飛び込んでくるのが「8Kリビングシアター」。ここでは高画質の映像と立体音響を組み合わせた最先端の放送技術を体験できる。
設置されている88インチ有機ELディスプレーに映るのはBS8K放送。細部まで鮮明に映し出し通常のテレビ映像とは情報量がまるで異なる。画面の前に座るだけで別世界へと引き込まれるような感覚だ。
さらにシアターには22・2マルチチャンネル音響が備わっている。上・中・下の3層にスピーカーを配置し、音を360度立体的に再現。通り過ぎる足音など、映像と音が一体となり家庭用テレビでは決して体感できない没入感が味わえる。ここではぜひ視覚だけではなく、聴覚にも意識を向けながら体験してほしい。
シアターを出た先にあるのが「技研の歴史」コーナー。イラストと各年代がパネルに表示されており、興味のある年代の箇所に手をかざすとその時代の出来事と同研究所の歩みを映像と合成音声で解説してくれる。シアターで最先端の映像と音を体験した後にこのパネルを眺めると、目の前の技術がいかに長い研究の積み重ねの上に成り立っているのかを、より深く実感できる。
パネルの後ろには「技研ギャラリー」があり、地域の人々が書道や写真などの作品展示会を開く場として活用されている。最先端の研究所でありながら、地域に開かれたコミュニティーの場としての顔も持つ。
放送の歴史と未来を気軽に体験できるNHK放送技術研究所。授業の帰りに、立ち寄ってみてはいかがだろうか。 (晃)








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