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【緊急リポート】 不正徴収の背景を追う

競技部に持続的な資金調達策を

 本学は9月18日、重量挙部以外に2競技部(陸上競技部、スケート部)で奨学生部員・保護者からの納付金の不正(不適切)徴収が発覚したと公表した。重量挙部の不祥事事案は過去10年以内の部員・保護者の被害額が3685万円に上り、被害者は48人に達する。
 不正徴収は正視に堪えないが、その背景には競技部運営における資金面の諸問題が横たわっている。運営資金の現実と持続的方策について取材した。

運営費の大半独自調達

 「競技部の運営にはお金がかかる」。本学競技部のある監督経験者はこう語る。通常、競技部の運営費用は大会の遠征費や参加・登録費、コーチなどスタッフ人件費、ユニフォーム・用具費など多岐にわたるという。だが「大学から受け取る活動費(補助費)だけでは運営資金が全く足りない」と、複数の競技部関係者は口をそろえる。不足分については部員からの部費等の徴収に加えOB・OGからの寄付、学外助成金などで補填(ほてん)されているケースが多い。

 今回の取材で明らかになった、ある競技部の年間運営費は約3000万円。うち大学から受け取る活動費は1000万円程度だ。運営費の3分の2は競技部独自で調達しなければならず、「監督の資金力が重要」と前述の監督経験者は吐露する。人脈の広さから監督が企業経営者の場合もあるが、学外から支援を呼び込める特別な人材にいつまでも依存し続けることは難しいだろう。

厳しさ増す新戦力獲得

 近年は特に新戦力の獲得競争が激化している。大学にとってスポーツは知名度やブランドの向上につながるため、アスリート育成を強化する大学が増えてきた。強豪校からの有力新人の獲得倍率は高まり、高校の監督や選手保護者への働きかけにかかるコストは増大している。

 不正徴収の一部が、奨学生ではない部員の授業料や施設設備資金に充てられていたことが今回発覚した。これも新戦力を入部させるためのインセンティブに使われたとも考えられる。そのほか「付属高校からの有力選手がブランドや実力で優る他大学に進学してしまう」(競技部指導者)状況も発生している。

社団法人設立がカギに

 競技部強化には一定の運営コストは欠かせない。厳しい財政の中で日大スポーツを持続的に発展させる方策はあるか―。その一つとして競技部を資金面などで支援できる「一般社団法人」の設立が考えられる。

 大学の運動部は一般的に任意団体で社会的信用は高くないという。その点、一般社団法人は契約や納税時の主体を社会的に明確化できる。組織運営上の透明性や信用力が担保できれば、スポンサー契約やグッズ販売など学外資金の調達がしやすい。京大や東大のアメリカンフットボール部、慶大ラグビー部、明大や中大のサッカー部などで実例がある。

本学で一括調達が理想

 しかし、一般社団法人の設立が即収益化とはならない。事業計画の作成、予算承認の権限や指導者を選ぶ人事権の明確化、会計の透明性や納税義務などガバナンスとコンプライアンスを徹底させることで、はじめて持続的な収益化につながる。

 本学には競技部が34ある。それぞれが一般社団法人を設立するのは現実的ではない。大学側の管理も膨大になる。それよりも、本学が学外資金を一括して資金調達できる一般社団法人を設立し、各競技部に配分するのが理想的だ。昨年来の不祥事で浮かび上がった競技部運営の問題点や課題を、資金面からも問い直す時期が来ている。 
(不正徴収問題取材班)

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