作家で初の女性理事長として本学に新風をもたらすことが期待される一方、経営経験がないなどの不安も指摘される林真理子氏。本紙は就任直前の林氏に単独インタビューし、改革への意気込みと学生への熱いメッセージを聞いた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 規模を生かす次期理事長候補者としての抱負をお願いします。 学生、教職員、外部有識者ら50~60人で構成する「新生委員会(仮称)」を立ち上げ、新しい日大の構築について話し合い、学生の考えや要望を聞いていきたいと考えています。 私たち大学職員の仕事はいわば学生に対するサービス業。学生と生徒の幸せ、願いをかなえることが大学運営において最も重要だと考え「学生ファースト」の実現を約束します。 また、日大は「世界大学ランキング」に入れるだけの規模と歴史、人材を持ち合わせていると確信しています。学部間交流を深め、学生が十分な教養を身に付けるための「日大教養主義」なるものを掲げて、世界有数のこの規模を生かしていきたいです。 ―本学のトップを引き受ける決意をした経緯を教えてください。 「理事長候補に」と日大関係者から声をかけられたのはことしの4月末。候補の1人として「学生、教職員を中心とした組織運営」と「お金の流れの徹底的な精査」を選考委員会の前で訴え「失墜した大学のイメージ回復を行う」ことを表明しました。 動機は愛校心と「新しいことに挑戦したい」という気持ちです。偏差値などでは測れない多様な学生がいる日大のおおらかさが好きで、「自分の経験を母校に返したい、後輩に嫌な思いをさせたくない」その一心で引き受けました。 イメージ回復を 資金の流れ精査具体的な改革は7月1日の就任以降に決定していくと思いますが、まずは何から着手しますか。 先ほど述べたように「世間からのイメージ回復」が急務です。就任後すぐに弁護士や公認会計士ら実務経験のある有識者で構成する少数精鋭の「実戦部隊」を作り、日大関係の資金の流れをきれいにし、さまざまな疑念を払拭したいです。そして学生や生徒、卒業生など関係者が誇れる大学にします。 派閥はもうない 対話重視で臨む第三者委員会から指摘があった「上命下服の組織風土」をどう思いますか。 もう日大にはマスコミで言われているような「田中前理事長派」などいないと思っています。いるとするならば「反林派」でしょう。(田中前理事長に)意見をしてこなかったことは問題ですが、会社に勤める人だったら力あるトップに寄っていくことは当たり前。今は教職員も大学改革に向かっていると信じています。 とはいえ、私が突然現れて好き勝手に改革しても現場からの信頼は勝ち得ません。今いる教職員とともに新しい日大を作るべく16学部、通信教育部、短大や付属校などに実際に足を運び、対話重視で臨んでいきます。 今後の運営主体である新理事会や新評議員会のメンバーの全容はまだ把握していませんが(6月13日現在)、次期理事長として、これまでよりずっと民主的で開かれた会議にするためにイニシアチブを取ります。 組織の透明性を図るため情報を積極的に開示していきますので、学生のみなさんも大学運営の情勢に目を向けてほしいです。 人脈生かす運営 ブレーンは2人大学や企業での経営経験がないことについて不安視する声があります。 これまで作家として活動して得た「人脈」と「人間力」をフルに使っていきます。 理事長推薦理事2人の枠のうち1人は学校や企業の経営経験がある人、もう1人は日本の大学事情に対して大局的視野に立っている学識経験者に依頼しています。この2人が私のブレーンになる存在です。 また、文化、経済、スポーツ、学術など各分野の第一線で活躍する文化人で構成するボランティア集団「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」の幹事長を11年間務めて得た人脈を最大限に生かし、学生が興味を持ち、日大の刺激剤になるような人を呼びたいと思います。 私のような経営の新人が大きな組織を動かす上で大切なことは、手を取り合うことだと思います。作家として、人の心を読んだり深く突き詰めたりすることを40年間もやってきたわけですから。対話を大切にして日大という大きな組織に入っていきたいと考えています。 新作は来年以降 理事長職優先に作家業は今後どうするのですか。 ことし発刊予定だった小説は早くても来年以降に回します。対談などはもう引き受けられません。理事長職を第一優先にします。 学生が原動力学生へメッセージを。 これまで嫌な思いをさせてきたかと思います。本当に申し訳ない。ただ、改革の原動力は学生です。学生のみなさんが支持し、意見を積極的に出してくれなければ何も始まらない。どうぞよろしくお願いします。

林 真理子(はやし まりこ)  1954年生まれ。82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を出版。

86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で第94回直木賞受賞。

2018年紫綬褒章受章。20年菊池寛賞受賞。

全文は本紙にて 

「新生日大」が始動する―。作家の林真理子氏(68歳、1976年芸術学部文芸学科卒)が理事長選考委員会により次期理事長候補者に推薦され6月3日の理事会で決定した。また、元総長の酒井健夫氏(78歳、66年農獣医(現生物資源科)学部獣医学科卒)も同日の理事会で次期学長に決定。林氏は7月1日の新理事会の承認を経て理事長に正式決定される予定で、ともに同日付で就任、任期は4年となる。 理事長選考委員会が本学ホームページに記載した選考理由書によると、次期理事長候補者について同委員会は「誠意をもって、本学の改革を断行」できる人を主眼に、複数の適任者を選出。その後選考を進め、林氏を候補者として決定した。同委員会は林氏の選任理由として文化人団体などで「中心人物として活動してきた実績、本学再生のために尽くすという固い決意と改革への高い志を表明していること」を挙げている。 一方、次期学長選出は今回から立候補制を導入。酒井氏と広田照幸文理学部教授(教育社会学)の2人が立候補し、6月1日に開催された学長候補者推薦委員会での投票を経て、同3日に開かれた選出会議で酒井氏が候補者となり、同日の理事会で次期学長に承認された。 酒井次期学長は2008年に、本学総長として田中英寿前理事長と同時期に選出。今回、次期学長に決まった際に、加藤直人理事長・学長が語った「田中前理事長との決別宣言」を踏襲するとの意向を示している。 林 真理子(はやし まりこ) 1954年生まれ。82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を出版。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で第94回直木賞受賞。2018年紫綬褒章受章。20年菊池寛賞受賞。 酒井 健夫(さかい たけお) 1943年生まれ。2005年生物資源科学部学部長。08年から11年まで第12代総長。昨年の田中英寿前理事長の逮捕・辞任以降、理事長職と学長職を兼任して新しい日本大学へ向けた改革を進めてきた加藤直人理事長・学長。6月末の退任を目前に、改革を先導して見えてきた困難さ、7月からの新執行部に期待することなどを聞いた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ―これまで本学の抜本的ガバナンス改革を先導されてきた今の感想をお聞かせください。 一つ一つ乗り越えなくてはならないことがたくさんありました。記者会見をはじめとして、理事会で先生方の理解をいただいたり、学生・生徒、保護者、教職員からの意見をどう反映していくか検討したりということに注力してきました。 新体制発足まで約半月と迫った今、次期理事長、学長、役員の選定を進め、無事引き継げそうです。 ただ、我々現在の理事は田中前理事長体制下の人間であり、当然、当時起こった不祥事の責任があります。「責任を有する人間がどのように大学改革を進めていくのか」という部分では葛藤がありました。 また、これだけ大きい大学ですから、いろいろな考えを持つ人々にどう納得してもらい改革を進めていくのか、という面に神経を注ぎ、何とか調整してここまでこぎ着けました。 文部科学省からも厳しい言葉を頂きました。元理事による背任という不祥事は前代未聞で、廃校や、いまだかつて大学に出されたことがない「措置命令」の発令を覚悟する状況にありました。 ―2018年のアメフット事件から続いた本学の不祥事はどうして止められなかったのでしょうか。 第三者委員会からも指摘があったように、本学の「同質性」が大きな問題点だと思います。 同質性が良い面に働けば、校友とのつながりはとても良いのですが、卒業年度などでヒエラルキーのようなものが形成されると、意見を具申できないという体制に陥ってしまいます。 学長として、教学面においては大きな問題なくやったと思う一方で経営面に関しては認識が甘かったことが私の反省点です。これは今から考えれば大きな問題だったと痛感しています。その当時、業務について精査すべきだったという面で、認識が甘かったです。 田中前理事長在任時の理事会は、報告会のようになっていました。もちろん「審議」という形で諮るわけですが、事前に決まった議案が決定事項のように流れていくという形でした。役員、特に理事がしっかり監視できる体制になかったことは大きな反省点です。 ―昨年12月の記者会見で「田中前理事長との永久の決別」を宣言されましたが、その時の心情をお聞かせください。 記者の方々が「何を知りたいのか」ということを念頭に考え「決別宣言」を冒頭に発表しようと考えました。あの時はまだ田中前理事長逮捕から1週間後くらいで「これからどうなるのか」と、恐らく学生の皆さんも感じたことだと思いますけれども、我々役員としては、もう「田中前理事長とは永久に決別し、日本大学を再生していこう」という気持ちで一致し、田中氏が管理運営に関与することはない旨を述べさせていただきました。 ―ことし4月に田中前理事長が校友会施設に立ち入るなど「決別」に疑念を抱かざるを得ない行動がありました。 不思議なもので「決別宣言」以来、ほとんど田中前理事長の名が職員の話題にあがることがありません。潮が引くように影響力が消えていくといいますか、とにかく今、田中前理事長の影響力はないように思います。よく「田中派」や「シンパ」という言葉がよく報道で使われますが、そういうものはありません。校友会施設に田中前理事長が来た時も、私は内容証明郵便を出して警告しました。彼がまた影響力を及ぼすような心配は全くありません。 ―本学にはびこっている「悪しき風土」は今後解消されていくのでしょうか。 先にお話ししたとおり、今回の大きな問題点は「同質性」という、先輩後輩の関係性による硬直した組織であると思うのですが、それを変えるべく外部から役員を招きましたし、克服するために議論を重ねてきましたので、そういった意味では本学をむしばんできた「悪しき風土」は払拭されつつあるように思います。とはいえ、まだこれから注視していく必要はあります。 新たな「知の共同体」望む今後の本学に何を望みますか。 林真理子次期理事長候補者も酒井健夫次期学長も、人物的に大変素晴らしい方々で、とても期待しています。またかつて本学にあった「同質性」というしがらみがないということはとても大きいと思います。新執行部の方々はきっと新たな日本大学をつくってくださるだろうと確信しています。 また、林氏も酒井氏も「教学優先」の旗印を掲げています。大学、付属校なども含めて「教育」「研究」「学生支援」というの三つの大きな柱が優先される形で大学運営がなされると信じています。 ―学生や生徒へ向けてメッセージをお願いします。 私は常々、大学というのは「知の共同体」だと思っているのです。先生が研究した一端を学生に教授し、学生も先生の教えを受けて学びを昇華させる、職員はそれをサポートする、ということが一つの組織を形成しているところだと思っています。そういうところに圧力を加えたり活動を制限したりということはなんとしてでも避けなくてはならないと思っています。 学生・生徒の皆さんには「おかしいではないか」「こうすべきじゃないか」ということについては、自分自身が学び、成長していくためにも意見をしっかり発信していくことが大事であるということを伝えたいです。そうしないと大人も考えが新しく切り替わらないと思うので、そこには一切忖度(そんたく)は必要ありませんのでどんどん意見を出していってほしいです。そして、新たな「知の共同体」をつくり上げていってほしいと強く思います。

加藤 直人(かとう なおと)  1974年本学文理学部史学科卒業。79年本学大学院文学研究科東洋史学専攻博士後期課程満期退学。専攻は東洋史。博士(文学)。2020年第14代学長就任。21年理事長兼任。

 田中前理事長体制時代の理事2氏から、旧体制での理事会の問題点や雰囲気、そして7月からの新体制に託す課題などを聞いた。

木村政司芸術学部長

理事会は軍隊のようだった 2017年9月から芸術学部長兼理事に就任している木村政司芸術学部長は、「理事会には一種特有の圧迫感を感じていた」と田中前理事長体制当時の様子を振り返る。 木村学部長が初めて理事会に出席したときに驚いたのは、理事長・学長の入退出時に理事全員が起立する習慣があったことだ。さらには、周りの理事から意見を言うことはやめたほうがいいと止められたことから、発言しようとは思わなくなっていった。「軍隊のようだった」と木村学部長は話す。 芸術学部は野田慶人前学部長が四期目に入ったときに、田中前理事長との関係が悪化。14年から4年間にわたり、昇進や学部をまたいだ人事異動がなくなった。それゆえ、18年の危険タックル問題で一度理事を辞任した井ノ口忠男元理事が再び理事として復帰したときも、木村学部長自身は「何かが起こっている」と感じたが、「学部や学生を守らなければ」という思いもあり、井ノ口元理事の復帰に反旗を翻せなかった。 「日大は、昔から先輩の意見には絶対服従の風潮があることは聞いていたし、特に一部のスポーツ部における上下関係を大学運営に持ち込んだことが、上命下服の風土を強めてしまったのではないか」と話す。 田中前理事長が逮捕され前体制は終わりを告げたが「理事としての管理・運営責任がありながらも、恐怖のあまり周りに流されていた自らの責任は大きい」と心境を吐露する。理事としての役割は6月末で終わるが「芸術学部長を退任するまでは、微力ながら日大の再生を支えていきたい」と語る。 新体制に対し「林真理子次期理事長は、作家として人間の心理を見抜く観察力や洞察力の鋭さが卓越した方であり、酒井健夫次期学長は、獣医学者としても素晴らしい経歴の方。今後は2人の優れた側近とのチームワークで日大再生に向かってほしい」と今後への期待を述べた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ きむら まさし 1982年米ワシントン州立大大学院美術研究科美術学博士前期課程修了。2004年本学芸術学部教授。17年同学部学部長兼理事。22年2月常務理事。6月に常務理事辞任予定。

紅野謙介前文理学部長

日大が変われる最後の機会 一連の不祥事が起こった当時、文理学部の学部長兼理事であった紅野謙介前学部長は、「理事会は『議論する場』ではなく、理事長をはじめ、一部の理事らによって決められた議案について『異議がないかを確認する場』となっていた」と話す。質問や意見に十分な回答を得られることもなく、最終的な決定権は理事長に委ねられていた。 こうした「議論の不在」が田中専横体制に拍車をかけたが、内部だけの要因ではない。「日大は文部科学省の言うことを聞きすぎる傾向がある」と紅野前学部長は語る。迅速な判断を下すため、文科省の「トップダウン」方針に転換の結果、学生や教職員の意見が通りにくくなった。 一連の事件に対する文科省からの指導文書にも従わざるを得ず、背景には「文科省と渡り合えるだけの議論ができないため」と説明する。「役員だけでなく、各学部レベルで積極的に外部人材を入れて、開かれた議論の構築が必要」と話した。 7月からの新体制の課題について紅野前学部長は、「職員の労働環境の改善」と、「競技スポーツ部の改組」を挙げる。人件費削減で職員の採用人数を減らし、職員の負担が大きくなっていることに加え、縁故採用やスポーツ推薦での採用が行われていたため、外部の優秀な人材が採用されにくいという。さらに田中前理事長は「競技スポーツ部」の前身である「日本大学保健体育審議会」の事務局長を務め、競技部を専横的に統括していた。「競技部を自由に操ることができたことが権力集中の要因の一つだった。日大だけで運営するのでなく、外部と連携し公正な運営を目指すべき」と語る。 紅野前学部長はことし1月で学部長兼理事の任期を終えた。「今回の事件を乗り越えることは、日大が生まれ変われる最後のチャンスだと思っている。学生や教職員の意見を吸い上げるボトムアップの運営を目指してほしい」としている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ こうの けんすけ 早稲田大学大学院文学研究科博士課程中退。1997年本学文理学部教授。2019年文理学部長兼理事。22年1月に退任。4月に著書『職業としての大学人』を出版。目前に迫った「林・酒井新執行部体制」発足について、学生はどう捉え、何を思うのか。また、今後刷新されていく本学に何を望んでいるのか。複数の学部のキャンパスで学生の声を聞いた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 規模を生かして 教学により力を 「スポーツ日大」と呼ばれるほど、スポーツには力を入れています。一方で、教学研究はスポーツほど大きく扱われることが少ないように感じます。学生数と多様な分野を学べる規模の大きさを生かして、もっとたくさんの教学研究に力を入れてほしいと思っています。 新体制では透明性のある学校運営はもちろん、教育機関として「日本」の名に恥じない「日本大学」になってほしいです。 玉置 陸さん(法・政治経済2) 学校運営に学生、 教職員の意見を これまで日大は学校運営に学生側が関わる機会がほとんどなかったです。新体制では教職員や学生の意見も取り入れる民主的な運営を目指してほしいです。 次期理事長候補の林氏はこれまで運営に関わっていないが、周囲の役員、教職員、学生らの声を聴きながら運営をして、そして酒井次期学長は元総長としての経験や知識を生かして林氏を支えてほしいと思います。 田中前理事長は・・・ 続きは本紙にて2021年度決算が5月25日に日本大学会館で開かれた評議員会で報告、了承された。資金収支決算総額は予算比133億5335万7346円(5.03%)減の2523億4664万2654円となった。評議員会には加藤直人理事長・学長をはじめ評議員113人(書面による議決権行使者21人を含む)が出席した。 【収入の部】収入の柱である学生生徒等納付金収入は、学部入学者数の減少などにより同3億1353万0999円(0.28%)減の1119億8639万9001円。補助金収入は私立大学等経常費補助金の不交付などにより同40億9319万5397円(20.98%)減の154億1223万4603円となった。 【支出の部】人件費支出は、教職員数の減少などにより同6億9843万7302円(0.74%)減の935億4353万2698円。設備関係支出は、板橋病院電子カルテシステム契約の規模縮小などにより同28億7584万5130円(29.83%)減の67億6581万4870円となった。公益財団法人「大学基準協会」は6月3日、2021年度の機関別認証評価結果を公表し、本学の大学評価(追評価)について「不適合」と判定したことが分かった。これを受け、一部の補助金が申請できなくなる。 大学は7年以内に1度、文部科学大臣の認証を受けた認証評価機関による組織運営の評価を受ける必要がある。大学基準協会は認証評価機関の一つで、本学は制度が開始された04年度から評価、判定を受けている。 本学は定例の17年度評価で「適合」の判定を受けたが、19年度に他大学で発覚した医学部不正入試の影響を受けて行われた再評価において、本学医学部でも不正入試が発覚したことにより17年度評価の「適合」が取り消しとなり、「不適合」の判定となっていた。今回発表された評価は19年度に判定が取り消された分の追評価だった。 協会が発表した追評価結果報告書によると、19年度に指摘された不正入試問題については、再発防止策の実施状況などから「改善が認められる」と評価した。しかし、追評価期間中の21年10月に一連の不祥事が発覚。追加で調査を行った結果、本学の管理運営体制について「重大な問題を抱えている」として、「不適合」と判定した。 また、同協会は本学短期大学部に対して行った短期大学認証評価結果においても、本学の評価と同様の理由で「不適合」と判定している。陸上の関東学生対校選手権(関東インカレ)が5月19日から22日まで東京都新宿区の国立競技場と同世田谷区の本学陸上競技場で開催された。有観客での開催は3年ぶり。本学男子は23種目中11種目で表彰台に上る活躍を見せ、2019年以来29回目の総合優勝を果たした。男子4×100㍍リレーには塚口哲平(スポーツ科3=東京・明星高)、三田寺虎琉(文理2=千葉・幕張総合高)、鈴木大河(スポーツ科2=愛知・中京大付中京高)、一瀬輝星(同4=東京・八王子高)が出場し29年ぶりの王座に輝いた。同ハンマー投げの福田翔大(同4=大阪桐蔭高)が大会新、同十種競技の山下朋紀(文理4=岡山・金光学園高)が自己ベストで初優勝など、6種目で優勝した。 本学男子はトラック競技で総合7位、フィールド競技で同1位、多種目優勝(優勝種目数)で同1位とし、総合得点131.5点と2位東洋大に38.5点の大差をつけ、王座奪還を果たした。また女子はフィールド競技で3位に入賞した。 男子4×100㍍リレーの塚口、三田寺、鈴木、一瀬は予選を学生歴代4位で本学新記録でもある38秒72で2位に圧倒的な差をつけてゴール。決勝では39秒18で、29年ぶりに頂点に立った。 同走り幅跳びの舞永夏稀(スポーツ科1=大阪・太成学院大高)は、1回目で7㍍07をマークすると、各回で着々と記録を伸ばした。5回目の試技で7㍍73を記録し、1年生ながらに栄冠を勝ち取った。 同三段跳びの広田麟太郎(同2=長崎日大高)は2回目に他選手を大きく引き離す15㍍99をマーク。自己ベストを更新した。その後15㍍台を3回記録したが、最終的に2回目の記録で2連覇を達成した。 同ハンマー投げの福田は、3投目で自身の持つ大会記録を上回る69㍍49を投げた。さらに5投目に69㍍88まで記録を伸ばして優勝。大会史上2人目の3連覇を果たした。 同やり投げの谷川颯(同3=大阪・金岡高)は1回目を失敗したものの2回目で71㍍59を放ち、本大会唯一の71㍍台で自己新記録を打ち立てた。 同十種競技の山下は100㍍2組、400㍍1組、110㍍ハードル2組、棒高跳び1組でトップに立った。総合得点で2位と62点差の7091点をたたき出し、自己ベストを塗り替えて初優勝を飾った。 福田主将の話 観客の応援が力になり、全員で戦えた。9月の日本学生対校選手権でも王座奪還を目指したい。 本学勢の主な結果 【男子】 ▽800㍍ ③石元潤樹(文理2) ▽400㍍H ②陰山彩大(同4) ▽4×100㍍リレー ①塚口、三田寺、鈴木、一瀬 ▽走り高跳び ②宮田風(つぐる)(同3) ▽走り幅跳び ①舞永 ▽三段跳び ①広田 ▽砲丸投げ ②福田 ③国司裕通(同4) ▽円盤投げ ②富永翔太(同4) ▽ハンマー投げ ①福田 ②久門大起(スポーツ科4) ▽やり投げ ①谷川 ▽十種競技 ①山下 ▽総合 ①本学 ▽フィールド競技 ①本学 ▽多種目優勝 ①本学 【女子】 ▽走り高跳び ③梅原遥奈(同4) ▽フィールド競技 ③本学

最後の直線で粘るアンカーの一瀬

表彰台で笑顔を見せるリレーメンバー

左から塚口、三田寺、鈴木、一瀬

5戦全勝で     リーグ制す 卓球の春季関東学生リーグの1、2部戦が5月11日から15日まで埼玉県の所沢市民体育館などで行われ、男子2部の本学は5戦全勝で優勝し2019年以来の1部昇格を果たした。 男子2部は11日から13日に行われた。本学は初日に国学大に4―1、続く埼玉工大を4―0で勝利し好調なスタートを切った。2日目の慶応大、東洋大戦ではルーキーの新名亮太(スポーツ科1=高知・明徳義塾高)や伊藤礼博(経済1=東京・安田学園高)らも躍動し2試合とも4―0で快勝。3日目の大正大も4―0で破りリーグ優勝を決めた。 氏田知孝監督は「新型コロナの影響で大会が中止になった中でもチームで協力してモチベーションを維持しながら練習をしてきた成果だ」と3年ぶりの1部昇格を喜んだ。

ドライブで積極的に攻める新名

「絶対昇格」     雪辱果たす ハンドボールの関東学生春季リーグ戦の1、2部入れ替え戦が6月4日に国士舘大学多摩キャンパスで行われ、順天堂大に勝利し1部に返り咲いた。 本学は昨年秋季リーグ戦の入れ替え戦にて、当時2部だった立教大に22―23で敗れ降格し、24年ぶりに2部で戦った。1部昇格を目標に掲げた今季の2部リーグを全勝優勝し、1部10位の順天堂大との入れ替え戦に臨んだ。 序盤から順調に点差を広げ19―12で前半を終えた。後半は連携ミスなどが目立ち、後半21分には30―27まで詰められ、本学はタイムアウトを取った。タイムアウト後は、それまでのムードを一掃。主将の井手悠登(商4=長崎日大高)のスカイプレーを含んだ連続得点などで突き放し、39―30で勝利した。 井手主将は「『絶対、春に昇格』と全員が思っていた。必死に取り組んできたので当然の結果だ」と話した。

果敢にゴールを狙う井手

本学の全学部全学年の学生を対象に2018年度から実施されている「学修満足度向上調査」の22年度4月調査の集計がこのほど、まとまった。それによると、2年生以上を対象にした「日本大学での学びに満足しているか」との質問では「とても」と「ある程度」を合わせた「そう思う」との回答が73.0%(19年度80.8%、20年度75.6%、21年度68.7%)となり、減少傾向に歯止めがかかったことが分かった。 22年度から多くの学部で対面とオンラインの併用授業制を導入している。2年生以上を対象にした「授業で体験的に学ぶ(実験・実習・フィールドワーク)機会はあったか」との質問では「よくあった」と「ときどきあった」を合わせた回答は63.7%(19年度75.3%、20年度61.4%、21年度54.1%)とコロナ禍の21年度に比べ10%㌽近く上昇しており、コロナ禍前の授業形態へ戻りつつあることが分かり、学びの満足度に影響していると考えられる。 一方、全学年を対象にした「学科での学びは自分の興味関心に合っているか」との質問では「とてもそう思う」と「ややそう思う」を合わせた「そう思う」との回答が88.8%(19年度91.1%、20年度89.1%、21年度89.5%)と、コロナ禍前の19年度に比べ微減にとどまったものの、「興味深い授業科目はあったか」との質問では「とても多い」と「比較的多い」の「あった」との回答が74.3%(19年度90.6%、20年度75.3%、21年度75.7%)とコロナ禍前に比べて16.3%㌽も減少している。 また、この質問で「とても多い」との回答は13.3%(19年度40.2%、20年度11.2%、21年度12.4%)と大幅(26.9%㌽)に減少。対面授業に戻りつつある中でも学生に対して興味深い授業を展開できていない状況が見て取れる。 さらに、2年生以上を対象にした「興味を持てるような授業をした教員はいたか」との質問に「とてもそう思う」が23.3%(19年度35.9%、20年度23.0%、21年度23.1%)と低迷を続けており、アフターコロナでの教員の授業展開が喫緊の課題であることが分かった。 22年度の同調査はことし4月に、学修環境や学生生活の改善を目的に、16学部と短期大学部、通信教育部の計約7万5000人の在校生を対象に73項目について実施。全体の50%程度を占める約3万8000人から有効回答を得た。