教育の原動力となる研究力強化を推進するため、本学は研究助成金制度の枠組み(スキーム)を大幅に変更、同助成金の予算額を55%増額し、3億5000万円に拡大した。 総合大学としての力を結集し、研究成果を積極的に学内外に発信することで、本学のブランドイメージのさらなる向上につなげる方針だ。 制度変更の中心は①大型研究プロジェクトの実施②世界が注目する諸課題への取り組み③次世代を担う若手研究者への支援の3点。 具体的には大型研究プロジェクトに重点予算配分を行うため、「理事長特別研究(予算額5000万円)」と「学長特別研究(同)」を一本化し、「理事長・学長特別研究」に名称を変更した。採択数を1本に絞る一方、助成金額は2年間で最大2億円に増額し、優れた研究計画に対する助成を可能とした。 「若手研究者学部連携研究助成金」は「若手研究者環境整備支援助成金」に名称を変更し、募集件数、予算額を大幅に増やし、次世代を担う若い研究者への支援を拡大した。 また、「学術研究助成金」は「総合研究」「社会実装研究」「一般研究(高校の部)」の3部門を「独創的・先駆的研究」「高校教育研究」の2部門に変更した。 「独創的・先駆的研究」も一件あたりの交付額を大幅に増額し、2年間で最大4000万円とした。 これにより、基礎研究から応用研究まで対応し、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた研究も対象とした。「理事長・学長特別研究」と「若手研究者環境整備支援助成金」は4月30日付で、「学術研究助成金」は5月25日付でそれぞれ募集を開始する。 大矢祐治副学長(研究、知的財産、学術情報担当)は「今回の大幅な拡充・改革で、若手研究者のさらなる育成と本学のブランドイメージ向上に資する研究成果につながることを望んでいる」と話した。 競泳で東京五輪代表に内定した水泳部の長谷川涼香(スポーツ科4)、関海哉(同4)、池江璃花子(同3)、小堀倭加(同3)、本多灯(同2)と豊山高3年の柳本幸之介が4月16日、東京・市ケ谷の日本大学会館を訪れ、田中英壽理事長と加藤直人学長を表敬訪問した。 6人は競泳五輪代表選考会を兼ねた4月の日本選手権で五輪派遣標準記録を突破し内定を勝ち取った。 田中理事長は「五輪まで100日を切った。本番で自己ベスト更新を目指して欲しい」と激励。池江は「みなさんの応援が力になった。内定が出たリレーは好きな種目なので、チームに貢献できるようにがんばりたい」と抱負を述べた。 五輪内定者壮行会を兼ねた水泳部の入部式が行われた17日には、2大会連続出場の長谷川が「本番まで3カ月。今できることに集中して残りの期間を過ごしたい。前回の五輪は悔しい思いをしたので今度こそ結果を残す」と話した。内閣府は4月29日、春の叙勲受章者を発表した。本学関係の中綬章以上受章者は15人。(敬称略 5月18日判明分) ▼瑞宝重光章 井上哲男(71歳、東京大学法卒=大学院法務研究科客員教授、元札幌高等裁判所判事・部総括、元大学院法務研究科教授(任期制)) ▼旭日中綬章 原嶋和利(73歳、70年法卒=全日本不動産協会理事長) 山内隆文(70歳、76年法卒=元久慈市長) ▼瑞宝中綬章 今福愛志(79歳、明治大学大学院商学研究科=名誉教授、元経済学部教授) 黒川祐次(76歳、東京大学教養卒=元特命全権大使(ウクライナ)、元国際関係学部教授、元評議員) 近藤慶之(81歳、64年大学院理工学研究科修士課程修了=信州大学名誉教授) 末武彦(79歳、66年歯卒=日本歯科大学名誉教授) 宅茂(70歳、東京都立大学大学院社会科学研究科=元法務省入国管理局長、元危機管理学部教授(任期制)) 永野征男(79歳、69年大学院理工学研究科博士課程満期退学=名誉教授、元文理学部教授) 中屋利洋(70歳、75年法卒=元前橋地方検察庁検事正) 野池達也(80歳、東北大学大学院工学研究科=東北大学名誉教授、元大学院総合科学研究科教授(任期制)) 原澤孝夫(78歳、67年医卒=元国立療養所足利病院長) 福島久一(80歳、65年大学院経済学研究科修士課程修了=名誉教授、元経済学部教授) 法專充男(70歳、ペンシルバニア大学大学院経済学研究科=元内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官、元国際関係学部教授) 森芳信(80歳、東北大学大学院工学研究科=名誉教授、元工学部教授)医学部の中山智祥教授(臨床検査医学)が4月1日付で日本遺伝子診療学会の理事長に就任した。 同学会は遺伝子関連技術の臨床応用および遺伝子診療の推進と発展などを目的として1994年に設立された。 95年に入会した中山教授は学会大会でほぼ毎年講演を行ってきたほか、遺伝子診療の専門家を育成する「ジェネティックエキスパート認定制度」の立ち上げに関わってきた。 中山教授は「この学会は他の遺伝子関連学会よりも歴史が浅い。これからも、この学会の発展に向けて尽力したい」と話した。陸上の織田幹雄記念国際大会が4月29日にエディオンスタジアム広島で行われ、女子走り高跳びで高橋渚(スポーツ科4=東京高)が初優勝を果たしたほか、同砲丸投げの小山田芙由子(同3=同)が2位、同やり投げの奈良岡翠蘭(同3=青森・弘前中央高)が3位に入った。 高橋は1㍍65、1㍍68、1㍍71、1㍍74をすべて1本目でクリア。1㍍77は失敗して、1㍍74を記録した。徳本鈴奈(友睦物流)、武山玲奈(環太平洋大4)と並んだが、試技数の差で栄冠を手にした。 卒業生では、男子走り幅跳びの小田大樹(18年文理卒=ヤマダ)が橋岡優輝(21年スポーツ科卒=富士通)を1㌢上回る7㍍98で抑え、優勝を果たした。 一方、5月9日に国立競技場で東京五輪テスト大会として行われた「READY STEADY TOKYO」では、女子砲丸投げの小山田が5回目の試技で15㍍02を記録、2位に入った。男子走り幅跳びの橋岡は、出場選手の中で唯一の8㍍台をマークする8㍍07で優勝した。 1年半ぶり表彰 〇…昨年夏のけがから復帰して初めてとなる優勝。高橋は「ふがいない記録だが、とにかくうれしい」と話した。 そもそも織田記念に出場することさえ「想像もしていなかった」ことだ。実は、昨年まで織田記念の実施種目に走り高跳びはなく、今回実施されることを高橋が知ったのは4月も2週目に入ってからのことだ。 昨年8月、踏み切りの練習中に利き足の左足首を捻挫した。4カ月のリハビリを経て昨年12月の冬季練習に復帰。走り込みやハードルの連続ジャンプなど基礎練習を重ね、4月18日の日本大学記録会に調整を兼ねて参加した。「調子は良かった」のに、結果は1㍍71。自己ベスト1㍍80の高橋にとっては惨敗とも言える結果だった。 見兼ねたコーチの提案で、助走ラインまでの「補助走」を、従来の「歩き」から「走り」に変更。助走のスピードが上がり、高さが出やすくなった。 織田記念当日、高橋は1㍍71まで余裕のジャンプを見せたが、1㍍74の跳躍は「バーが耐えてくれてよかった」とギリギリの通過だった。 その後挑んだ1㍍77は「気持ちが先走り」3回とも失敗。それでも「(1㍍77の)最後のジャンプは最近では一番良かった」と手応えを得た。「成長して帰ってきたと思われる結果を残したい」と、学生最後の1年への思いを語った。工学部の渡部和生特任教授(空間デザイン学)が設計を手がけた「東日本大震災・原子力災害伝承館」(福島県双葉町)の来館者が5月3日に5万人を突破した。高村昇館長(長崎大教授)は「予想をはるかに上回った。10年前の災害に今なお大きな関心が寄せられていることを実感した」と話した。 同館は東日本大震災、原発事故の教訓を後世に伝える拠点施設として昨年9月20日に開館。ことし3月までに福島県88団体、県外22団体が来場した。来館者の多くは小中高生だという。 伝承館は地震と原発事故、その後の復興の過程を示す約24万点の資料を収蔵している。「県民の想い」のコーナーには、福島県民の「記憶(証言・手紙等)」と「記録(事実・データ等)」が展示され、産業への打撃や風評被害と、それによって住民の日常がどのように変化したのかを伝えている。予約をすれば双葉町、浪江町の被災状況を知る「フィールドワーク」を体験できる。 建物は地上3階建て、延べ床面積約5300平方㍍。福島第一原発が津波による浸水で全電源喪失という事態を招いた教訓を生かし、展示室、サーバー室は2階に、電源設備は最上階の3階に置いた。 3階には、遠く太平洋を望む「海のテラス」もある。「親しみやすい建築に」という渡部特任教授の意向で、テラスには日本家屋で使われる羽目板などが使われている。 「10年は一区切りだが、双葉町の住民はまだ一人も帰還できていない。県全体では3万7299人が戻っていない。伝承館があの大震災を考えるきっかけになれば」と高村館長は話している。生産工学部の秋葉正一教授(土質工学)、加納陽輔准教授(同)、赤津憲吾助手が「劣化アスファルトに対する水熱分解の回復効果」に関してまとめた研究成果がこのほど、石油学会論文賞を受賞した。 道路舗装に用いられるアスファルトは、敷設から10年以上を過ぎると徐々に劣化して硬く、もろくなる。「疲労ひび割れ抵抗性」の低下は路面のひび割れを引き起こし、「耐流動性」の低下はでこぼこの原因となる。 秋葉教授らは2018年、粘度が高く硫黄を多く含む超重質油の脱硫化などに用いられる「水熱分解法」という技法を使って、劣化アスファルトを350度の状態で15分間反応させると強度が新しいアスファルトとほぼ同じ状態にまで回復することを明らかにし、土木学会舗装工学論文奨励賞を受賞した。 今回の研究では、一般的に使われるアスファルトの中でも老化の進行が懸念されている数種類のアスファルトについて、どの程度まで性能が回復するかを検討した。 その結果一定の温度と時間の下で反応させると「疲労ひび割れ抵抗性」も「耐流動性」のいずれも向上し、十分に再利用できる程度まで回復することを確認した。 加納准教授は「実用化を視野に、産官学連携体制のもと、より効率的かつ効果的な再資源化技術の実現を目指す」と話している。日本学生フェンシング・カップが4月16日から18日まで東京都世田谷区の駒沢体育館で行われ、男子フルーレの松渕真平(文理4=秋田北鷹高)と女子フルーレの田口莉帆(同3=秋田・聖霊女子高)が優勝を果たした。男子エペの松本龍(同1=東京・王子総合高)と女子エペの今村未羽(商2=鹿児島高)が2位に入った。 松渕は、決勝で利き手である左前腕と右太ももをつりながらも相手との間合いを見極め、15―10で勝利した。 田口は予選のグループリーグを4戦全勝で突破。決勝トーナメントも順調に勝ち進み決勝に駒を進めた。決勝は終始相手を圧倒し、15―6で快勝した。 松渕の話 攻撃をためらってしまう場面があった。自己管理の足りなさも反省点。全日本学生選手権大会は個人、団体共に優勝したい。 田口の話 大学での個人優勝は初めてなので、とてもうれしい。無駄に前に出て失う点を減らしていくことが今後の課題。自転車の東日本学生選手権が5月4、5の両日に長野県松本市の美鈴湖自転車競技場で行われ、本学はスプリントで橋本宇宙(文理4=佐賀・龍谷高)が優勝するなど、12種目中6種目で表彰台に上った。チームパシュートは佐藤健(スポーツ科4=熊本・九州学院高)、高橋舜(同3=宮城・東北高)、生野優翔(同2=大分・日出総合高)、岡本勝哉(文理1=京都・北桑田高)組が3位。チームスプリントは三浦生誠(同2=岩手・盛岡農高)、伊藤京介(スポーツ科1=三重・朝明高)、遠藤拓己(経済4=香川・石田高)組が準優勝だった。男子ケイリンは遠藤が準優勝、角宗哉(同3=香川・高松工芸高)が3位。男子スクラッチは樽見潤平太(同2=福岡・祐誠高)が3位。1周333㍍のトラックを周回し6周ごとの順位ポイントの合計を競うポイントレースでは佐藤が1位、谷彰太(文理3=和歌山北高)が2位だった。 ポイントレースは本学から14人が出場、決勝に佐藤ら9人が進出した。佐藤は5周回目からスピードを上げ、10周回目までの間に5回1位通過して高得点を出した。レスリングのアジア選手権が4月12日から18日までカザフスタンのアルマトイで開かれ、男子フリースタイル97㌔級の石黒峻士(2020年スポーツ科卒=新日本プロレス)が3位に入った。 2回戦から出場した石黒はカザフスタンの選手に1―6で敗れたが、相手が決勝に進出したため規定により3位決定戦出場が決まった。決定戦ではモンゴルの選手に1―1と奮闘し、最終ポイントを獲得した石黒が3位を決めた。国際大会でのメダルは18年の世界大学選手権の銅メダル以来。 弟の石黒隼士(スポーツ科4=埼玉・花咲徳栄高)は同86㌔級の2回戦から出場したが、イラン代表選手にテクニカルフォールで敗れた。3位決定戦に回ったが、開始1分7秒にイラク代表選手にフォール負けを喫し5位だった。 女子は日本代表選手に新型コロナ感染症の濃厚接触者が出たため渡航中止となった。