本学はこの夏、全国の総合大学に先駆けて新型コロナワクチン職域接種という難事業を成し遂げた。大学としての総力を挙げた事業の中間概要がこのほど明らかになった。 本学は慶応大、近畿大とともに6月21日から全国の大学で最初に接種を開始。医学部を除く15学部と通信教育部の学生、教職員、付属校教職員(幼稚園、こども園含む)らを対象に1回目と2回目を合わせて計約6万7000回の接種を実施し、総接種者数は約3万4000人に上るとみられる。今回の職域接種では全てモデルナ社製ワクチンが使用された。医療機関接種を実施した医学部は含まれていない。 会場はお茶の水(理工学部駿河台キャンパス)と三軒茶屋キャンパス、文理、芸術、国際関係、工、松戸歯、生物資源科各学部の8カ所に設けられた。お茶の水会場では歯、薬学部と日本大学病院から医師、歯科医師、看護師、薬剤師約700人が接種にあたり、各学部の職員延べ約1870人が会場での整理、誘導にあたった。 6月21日から9月24日までの約3カ月間と8会場のなかで最も長期の接種が行われたお茶の水会場では、経済など5学部と通信教育部の学生・教職員らに約4万回の接種を行った。 三軒茶屋キャンパス会場では危機管理、スポーツ科、商学部を対象に約1960回、文理学部会場では同学部を対象に約4680回、芸術学部会場では、同学部を対象に約5600回、国際関係学部会場では同学部を対象に約2160回、工学部会場では同学部を対象に約3550回、松戸歯学部会場では同学部と薬学部を対象に約2040回、生物資源科学部会場では同学部を対象に約6440回の接種が行われた。 16学部、通信教育部、短期大学部の学生が参加して教育改善を促進する取り組み「令和3年度日本大学 学生FD CHAmmiT(チャミット)」が11月28日にオンライン開催され、学生の改善要望などをまとめた「学部提案書」を作成した。 今回は「アフターコロナ~IT化と大学教育~」をテーマに、学生157人、教職員73人が参加。昨年度のチャミットで初めて作成された「令和2年度学部提案書」と、その内容が実施されたかを精査した「令和2年度改善報告書」を基に、この1年を振り返った。 全体で三つのセッションに分かれて議論を進め、セッション1では学生と教職員を交えた6、7人のグループでオンラインと対面授業の得失、コロナ禍での教育環境をめぐって議論した。 セッション2では学部ごとにグループを作り、セッション1で出された意見を共有。その上で昨年度の改善報告書の実施内容が解決されたかどうかを確認し、新たな提案書作成のための議論を続け、セッション3で提案書を作成した。 今年度を統括する全学FD委員会プログラムWGリーダー、松戸歯学部の平山聡司教授(保存修復学)は「学生、教職員が日本大学の教育改善について胸襟を開き、語り合えたことが誇らしい」と話した。法務省は11月12日、令和3年度司法書士試験の合格者を発表した。総受験者は1万1925人で、合格者は613人。合格率は5・14%だった。 本学からは宇井泰聖さん(法・法律4)、谷本駿介さん(同)、青山裕昭さん(1979年同卒)が合格した。谷本さんは最年少(21歳)合格者4人のうちの1人。 3人はいずれも、法学部が資格取得支援のために設けた「学生研究室」の「司法書士科研究室」に所属しており、本学出身の現役司法書士による指導を受けながら勉強を続けた。 宇井さんは「仲間とリモート勉強会を開くなど工夫を重ねた。人の役に立つ司法書士になりたい」と話し、最年少合格者の1人である谷本さんは「コロナ禍の下でリモート授業となり、より勉強に集中できた。実際の業務の中で自分の『司法書士像』を見つけたい」と語った。2021年度の若手研究者環境整備支援助成金の交付対象研究課題と交付額が10月19日に決定した。同助成金は、本学が掲げる「教学に関する基本方針」を基に、社会変化に対応可能な研究基盤の再構築推進を図るため今年度に新設された。 対象となった研究課題は、理工学部小林伸彰准教授(ものづくり技術)の「深層学習による高効率なIoT向け脳―機械エッジデバイスの開発」など9件。交付総額は2683万円(1件の上限300万円)に上った。 研究力強化を目指す本学は「本部研究助成金制度」の枠組みを大幅に変更。特に次世代を担う若手研究者の「自立して研究できる環境の整備」支援では、前身の「若手研究者学部連携研究助成金」の採択件数(1件)を9件に増やし、予算総額も300万円から2700万円に増額した。 交付対象研究者はほかに石橋寛樹助教(工学部)、梅田香織助教、加藤侑希助教、長野伸彦准教授(以上、医学部)、越後谷裕介専任講師、柴﨑康宏助教(以上、生物資源科学部)、徳田栄一専任講師、和田平准教授(以上、薬学部)。地滑りに関する研究者の学会「日本地すべり学会」が9月にオンライン開催した研究発表会で、本学大学院理工学研究科博士前期課程2年の宇佐見星弥さん(地理学専攻)が、若手優秀発表賞(口頭発表部門)を受賞した。 宇佐見さんは人工衛星に搭載された合成開口レーダー(SAR)を用いてネパールのマルシャンディ川岸の微細な地表変動を観測。このデータを画像化する際に「干渉SAR時系列解析」という特殊な技術を応用し、従来の方法で得られるよりも誤差の少ない精細な観測に成功した。 宇佐見さんは「干渉SARは、遠隔から地表変動を面的かつ高精度に観測できる。この研究で、ネパールのような途上国で、現地観測が難しい地域でも、観測できる可能性を示した。これにより将来の災害対策への応用を期待している」と話した。法学部のホームカミングデーが11月6日に同学部10号館1011講堂で開かれた。お笑いコンビ「パックンマックン」が「グローバル人材のホントのところ」と題して講演。対面・リモートで計約210人の教職員・校友・学生が聴講した。 ホームカミングデーは、学部卒業生を招き、現役の学生や教職員と交流してもらう行事。学部と学部校友会が2014年から共催しており、これまでに現役学生によるキャンパスツアーや著名人による講演会などを実施してきた。 ことしは、卒業生はオンライン、学生は一部対面という形で開催。パックンマックンの2人は英語習得の体験談を披露したり、簡単なゲームを織り交ぜたりして、求められるグローバル人材について分かりやすく説明した。本紙創刊100周年を記念する展示が、11月29日から法学部図書館1階の展示ギャラリーで開催されている。各学部では10月からパネル、ポスター展が開かれたが、法学部では実物資料の展示も行う。期間は12月24日まで。 創刊号の複製や「発行趣意書」のほか、ベルリン五輪出場選手凱旋ののぼりなどスポーツに関する資料を含む計28点を紹介している。 1920年4月、本学は大学令により「大学」昇格を果たした。これに伴い、夜間中心だった授業も徐々に昼間授業が増え、学生の競技活動も盛んになった。本紙は創刊当初からこうした活動を紹介しており、関連資料として展示した。ラグビーの関東大学リーグ戦が11月28日に閉幕し、本学は6勝1分の2位で終え、11月から開催中の全国大学選手権への出場を決めた。 本学は21日、1985年以来のリーグ戦優勝を懸けて3連覇中の東海大と対戦。前半22分には東海大バックスに約20㍍の独走を許し、トライを奪われ0―7とリードされたが前半33分、ゴールライン2㍍付近に作ったモールから押し込み、最後はナンバー8のシオネ・ハラシリ(スポーツ科4=東京・目黒学院高)がトライ。前川李蘭(同2=同)がゴールキックを決めて追いついた。 前半を7―7で折り返し、後半5分にはトライを決められ7―12となったが、同8分にはWTB水間夢翔(同3=佐賀工高)がハーフウエーラインから独走してトライ。前川のゴールキックも決まり14―12と逆転した。27分にもトライを奪いリードを広げたが、試合終了3分前にトライを決められ、19―19で勝ち点2を分け合った。 28日には法大と対戦。前半5分にナサニエル・トゥポウ(同3=兵庫・マリスト国際学校)のトライで先制後も、水間らがトライを重ね、71―12で勝利。勝ち点5を獲得した。東海大は同日の流経大との最終戦を71―19で勝利。本学は勝ち点で並んだが得失点差で及ばず、36年ぶりの優勝はならなかった。 リーグ戦を通して活躍した選手に贈られるベストフィフティーンには主将のFL飯田光紀(文理4=山梨・日川高)、水間、CTBのフレイザー・クワーク(スポーツ科4=新潟・開志国際高)が選出された。 中野克己監督は「選手たちはよく頑張ってくれた。全国大学選手権には挑戦者として挑む」と話した。初戦は12月18日、関東大学対抗戦Aグループ5位の日体大と戦う。レスリングの全日本大学選手権が11月13、14日に栃木県の足利市民体育館で開催され、本学は男子フリースタイル97㌔級の石黒隼士(スポーツ科4=埼玉・花咲徳栄高)と同125㌔級の吉田ケイワン(同4=同)が優勝を果たした。同70㌔級の坂野秀尭(文理4=鹿児島・鹿屋中央高)、同74㌔級の硎屋(とぎや)亮太郎(商1=茨城・鹿島学園高)、同86㌔級の藤田悠(法4=埼玉・花咲徳栄高)が準優勝した。団体は2012年以来9年ぶりとなる2位だった。 (文・写真=津田晴佳) 石黒は予備戦から準決勝までの4試合を二つのテクニカルフォールなどで順当に勝ち上がった。丸山純樹(日体大4)との決勝は開始15秒でフォール勝ちを収めるなど圧倒的な強さを見せつけた。石黒は2019、20年には同大会の86㌔級を連覇しており、3年連続優勝を達成した。 吉田は1回戦、準々決勝、準決勝を全て10―0のテクニカルフォールで制して決勝に進出。全日本学生選手権で下したアビット・ハルーン(日体大4)との決勝では、試合開始早々に片足タックルで2点を先制して勢いに乗り、9―2で制した。吉田は19年に97㌔級を制しており2年ぶりの優勝。10月の全日本学生選手権に続き学生2冠に輝いた。 坂野は1回戦を6―0のフォール勝ち、準々決勝を6―3の判定勝ち、準決勝を11―0のテクニカルフォール勝ちで決勝に進出。決勝で全日本学生選手権70㌔級優勝者の大野恵太郎(日体大3)と対戦した。第2ピリオドを2―0でリードしていたが、タックルを決められ2―4で逆転負けを喫した。 硎屋は予備戦、1回戦をテクニカルフォールで勝利。準々決勝を6―4、準決勝を8―6と判定勝ちで決勝に進出した。決勝で対決した小柴伊織(日体大1)に第2ピリオドでリードされ、中盤で2点、終盤で1点を返すものの3―5で2位となった。 藤田は1回戦を3―1、準々決勝を8―0で勝ち上がった。準決勝はリードされながらも残り1分37秒でフォール勝ち。決勝では全日本学生選手権86㌔級優勝者の白井達也(日体大3)と対戦し0―5で敗れた。 各階級の1位から8位までの成績をポイント換算し総合成績を競う。本学は1位が2人、2位が3人、5位が1人で合計54・5ポイントだった。 さらなる強さを ○…3年連続優勝という結果を出した石黒だが「自信がなく不安だった」と振り返った。【続きは本紙で】ボクシング男子の世界選手権が10月24日から11月6日にかけてセルビアの首都ベオグラードで行われ、バンタム級の坪井智也(2018年商卒=自衛隊体育学校)がウエルター級の岡沢セオン(ⅠNSPA)とともに日本勢初の優勝を果たした。 各国の実力者を次々と倒し決勝に駒を進めた坪井は、決勝でカザフスタンの強豪マフムド・サビルカンと対戦した。 坪井は序盤から積極的に攻めたが、第1ラウンドはサビルカンのカウンターに手を焼き、判定は2―3。しかし、第2ラウンドに入るとワンツーの精度を上げ、このラウンドを5―0で終え、流れを手にした。第3ラウンドは前に出てくる相手を軽快なフットワークでいなし、的を絞らせないまま得意の左フックを再三ヒットさせ、最後まで主導権を渡さなかった。最終判定は5―0で坪井の完勝だった。 日本人初のチャンピオンベルトを手にした坪井は、試合直後「たくさんの応援のおかげで優勝できた。反省点も多いので、早く日本に帰って練習したい」と話した。 快挙も満足せず 〇…終了のゴングと同時に、坪井は勝利を確信し両腕を突き上げ、勝ちを告げられると今度は雄たけびを上げ、涙をこぼした。「今大会は引退も覚悟して臨んだ」。試合後の会見で、背水の陣で臨んだ胸の内を吐露した。 フライ級で出場した19年の全日本選手権決勝で敗れ、東京五輪出場を逃してから2年間ボクシングを見つめ直した。 元来の「好戦的なスタイル」に技術を融合させ、世界でも通用する実力を磨いた。 「勝つというより、平常心で作戦を遂行する気持ちで臨んだ」という決勝戦。第1ラウンドは判定が割れたが、坪井に動揺はなかった。心の余裕と、2年間で作った新しいボクシングスタイルが大一番で坪井を支えた。それでも「最高の舞台で頂点を目指すには一つ一つのパンチの精度がまだ足りない」と自己分析する。 目指すは3年後のパリ五輪。次戦の予定は未定だが、いつあってもいいように常に体をつくり万全の状態で臨む。