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医学部・中村教授ら研究チーム 難病同士の合併メカニズムを一部解明

 医学部の中村英樹教授(血液膠原(こうげん)病内科)らの研究チームは、国の難病に指定されているHTLV―1関連脊髄症(HAM)と、同じく難病指定のシェーグレン症候群(SS)が合併するメカニズムの一部を解明した。

 HAMはHuman T―cell leukemia virus type 1(HTLV―1)ウイルスによる脊髄の炎症が起こることで、足の痺れや排尿障害などの症状に陥る難病。HAM患者は九州地方沿岸部に多い傾向にあり、目や口の渇きなどの症状が確認されていた。これが、難病のSSとの合併症状だと分かった。

 これまでの研究では、HTLV―1ウイルスがSS患者の唾液腺細胞に感染し炎症を起こすと判明している。これはHTLV―1感染がSSの発症要因となりうることを示していた。一方で、HAM合併SS患者においてSS患者に特徴的な自己抗体の陽性率が顕著に低い原因は不明だった。
 
 今回の研究では、患者のB細胞を用いて試験管内で自己抗体を産生できるシステムを確立。試験管内にHTLV―1ウイルスに感染したT細胞株を添加すると自己抗体の産生を抑制することが分かった。しかし、HTLV―1ウイルスはB細胞に感染していないことも確認された。
 
 抗体産生が抑制されるメカニズムを調べるために細胞株に発現するたんぱく質について着目。HTLV―1感染T細胞株に発現したたんぱく質が制御性T細胞と同じだった。そこで制御性T細胞として働いていると仮説を立てたが、制御性T細胞自体は抗体産生を抑制しなかった。
 
 また、T細胞を刺激した場合では非制御性T細胞において抗体産生の抑制を確認。HTLV―1感染T細胞が、この非制御性T細胞と同じ働きをするという仮説の解明が今後の課題だ。
 中村教授は「メカニズムの解明は病気の予防・治療につながる。若者にも研究に参加してほしい」と語った。

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