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生物資源科・岸田教授ら 気候変動が海中の生態系にも影響を与えたとするデータを発表

国内のイルカの骨を解析し究明

 生物資源科学部の岸田拓士教授(ゲノム科学)らの研究グループは、先史時代の世界的な気候変動がイルカ個体群の交代など海中の生態系にも影響を与えたことを示唆するデータを取得、1月24日に発表した。今回の研究成果で気候変動と生物多様性との関係性の解明につながると期待されている。
この研究では、北海道道東地方を中心に国内の複数箇所で出土したイルカの骨に注目し、DNAを抽出して解析。動物の骨コラーゲンに含まれる炭素原子の放射性同位体の比率からおよそ何年前の個体かを推定する「放射性炭素年代測定」の結果と併せ、約4200年前に道東地方のイルカ個体群の遺伝グループが変移していたことを究明した。
同時期は世界規模の寒冷化が起きたことで知られ、エジプト古王国の崩壊や青森市の三内丸山遺跡の放棄などにも関係しているとされる。今回の研究でイルカ個体群の変移や国内遺跡におけるイルカ漁の空白期間と時期が一致していることが判明。人類活動に起因する気候変動に直面している現在、過去の気候変動が陸上や海中で当時の生物相にどのような影響を及ぼしたかを解明することが重要視されている。
岸田教授はコロナ禍によって海外との共同研究が停滞したことを機に国内での研究を模索。世界的に古代DNA研究はヒトや骨が残りやすい大型動物が主であり、骨の保存条件が悪い海生哺乳類はほぼ手つかずの状態だった。
岸田教授は「動植物の保護は急務であるが、私たちはゴールを知らない。一つの形として、人間が手を加える前の生物多様性を解明したい」と研究の意義を語った。

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