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学部・大学院

緑化技術コンクール 環境大臣賞に選出    循環を重視した工夫

工学部ロハスの森「ホール」

都市緑化機構は10月16日に緑化技術コンクールの受賞作品を発表し、本学工学部のロハス工学センター棟ロハスの森「ホール」が環境大臣賞に選出された。

 同コンクールは良好な都市環境の形成や気候変動への適応、生物多様性確保に資する緑化施設を対象にしている。その中で同大臣賞は技術水準の高い環境の緑化技術の模範となる優れた作品・製品・技術に贈られる。

 受賞したロハスの森「ホール」は、2019年10月の台風19号で被災した同学部構内に建て替えて22年からプロジェクトを始動。今年5月にプレオープンした。ロハス工学とは「健康で持続可能な生活を工学的にサポートしていく」というコンセプト。

 ホールは福島県産の木材が使われ、「縦ログ構法」が特徴の一つ。ログハウスの材を縦に並べ、ワンセットにしたパネル構法だ。職人不足対策にも貢献できるほか、加工や組み立てに特別な機械も不要なため、地域の工務店でも対応でき普及が期待される。

 この構法は同学部建築学科の浦部智義教授(建築計画学)らが東日本大震災の発生直後に、より早く仮設住宅を建設する方法として独自開発し、今年発生した能登半島地震後の仮設住宅でも用いられた。同県郡山市は風が強いため、屋根は「曲面状緑化屋根」で風をうまく逃すつくりにするなど地域の気候にも対応。

 また、屋根にはチガヤの花をベースにした緑化マットを設置。チガヤは1年を通して枯れにくく冬でもホールを寂しい光景にさせないという視覚効果もある。その他にも栄養分がある池の魚フンを含んだ水を屋上の緑化へ引き植物を育てるアクアポニックスを計画。「循環」を重視した工夫が審査で高く評価された。

 ホールは環境面だけではなく、地域とのつながりを持たせている。構想段階から同学部の学生・教職員が参加しアイデア出しや模型づくりのワークショップを展開。今後も学内や同県内の企業を中心に、プロジェクトを展開していくという。

 主導する浦部教授は「地方だからこそできる環境問題への取り組みを発信し、ロハスの森が一つのシンボルとなってほしい」と思いを語った。

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