メニューの開閉

総合

本社主催日大文芸賞 節目の30回迎える 作家誕生を目指し 応募作品数3300編以上

 本社が1983年に文化事業の一環として創設した「日大文芸賞」がことしで30回を迎えた。

 83年6月号の本紙第1面に社告を掲載し「文壇に新風を吹き込む新人作家の誕生を期待する」と高らかに告知。以来、寄せられた作品は累計3300編を超え、受賞者は大賞の28人を含め114人を数える。第22回(2006年)の佳作受賞者飯塚朝美さんが第40回新潮新人賞(08年)を受賞するなど、受賞後も作家を目指して創作を続ける人は少なくない。
 第1回は芸術、理工など10学部から81編が集まり、当時の芸術学部教授の進藤純孝氏(故人)、文理学部助教授の曽根博義氏、作家の吉村昭氏(故人)が審査。文理学部中国文学科2年の鈴木敦さんの小説「北辰の話」が選ばれた。星を手に入れようとする青年の物語を中国の説話風に描き、素直な文体が評価された。第2回は応募が一挙に増え200編を超えたが、大賞はなく優秀賞2編、佳作3編にとどまった。該当作なしはこの回と第5回のみ。
 日大文芸賞について「大学が設ける賞として存在意義は大きい」とするのは、第2回から第24回まで選考委員を務めた、作家で元芸術学部教授の尾高修也氏(77歳)。自ら選考に当たった賞の変遷を3期に分けて振り返った。第1~7回は「いろんな学部の在校生、教職員、OBらが応募し何が出てくるか分からない面白さがあった」時期。作家の黒井千次氏が選考委員に加わった第7回以降(第27回まで)の第2期は「本気で大賞を狙う文芸学科の学生らの応募が増えた。全体のレベルが一気に上がった」という。第14~20回は女性の受賞者が激増、連続して大賞を受賞した。特に第17、19回は女性が賞を独占。「女性ならではの鋭いセンスが反映した作品が増えた時期」と総括する。
 「文壇に新風をもたらす新人作家」の輩出という目標について尾高氏は「まだ達成されていない」とした上で、日大文芸賞が上限50枚(400字詰め原稿用紙換算)という短編の文学賞である「宿命」だと指摘。主要な文学賞はいずれも数百枚の長編執筆力が求められる。外の世界に飛び立つには、どうしても超えなければならない壁とも言える。尾高氏は「受賞者の基本的な技量は、われわれの駆け出しのころを上回っている。とにかく情熱をもって書き続けることが大事。書き手を励ます場として日大文芸賞は存在し続けてほしい」と結んだ。
尾高.jpg
          自宅で30回を回想する尾高氏
 尾高修也氏 1937年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。72年「危うい歳月」で文藝賞(河出書房)。74年から2007年まで本学芸術学部で教壇に立つ。

関連タグ

合わせて読みたい

総合

大学発スタートアップ 都の支援事業に採択

戦略明確化や組織体制整備  本学は7月13日に東京都の「大学発スタートアップ創出支援事業」に採択された。支援期間は今年度から来年度まで。 同事業は大学が多く集中する東京の強みを生かし、研究シーズやアイデア等の事業化をサポ […]

総合

先生教えて! SNSのアルゴリズム

危険性を認識し、SNSとうまく向き合う  SNSのタイムラインの構成はユーザーの興味や行動に基づいて決定され「アルゴリズム」によって最適化されている。現代のSNSの仕組みや問題点について、法学部新聞学科の山口達男専任講師 […]

  • 先生教えて!

総合

経済・防犯講話 薬物の危険強調 学生へ注意喚起

学生へ注意喚起 違法薬物の危険性を学ぶ学生たち  経済学部は7月17日に防犯講話を同学部本館で開催した。今回の講演テーマは「大切な未来のために違法薬物シャットアウト!~違法薬物乱用ゼロへ~」。厚生労働省の関東信越厚生局麻 […]

  • 経済学部

総合

人権相談は微増 

公益通報9件増  本学コンプライアンス事務局は7月29日、2025年度の人権侵害相談と公益通報に関する概要を公表した。  人権侵害相談件数は158件で前年度から4件増加した。このうち、相談者からの申し立てを受けて人権アド […]

総合

校友会役員総会 新会費制度など6議案可決 

新会長に林真理子氏 総会であいさつする林新会長  2026年度の本学校友会の役員総会が7月10日に文京区の東京ドームホテルで開かれ、総会当日をもって任期を終えた大谷喜一会長の後任に林真理子氏(72歳、1976年芸術卒)を […]

  • 校友会

総合

卓上の書籍 ~青海原~

 照り付ける太陽、どこまでも続く青い海。8月は本格的な夏の到来を感じる季節だ。 今月のテーマは「青海原」。大学生に限らず人は人間関係に悩んだり、先の見えない将来を不安に思ったり、日々押し寄せるさまざまな波にのみ込まれそう […]

  • 卓上の書籍