生物資源科 クォーク6個の粒子 スパコン実験で存在証明

総合

2011.6.4 09:33

 生物資源科学部の井上貴史助教(原子核理論)らの研究グループがこのほど、物質を構成する基本要素であるクォーク6個からなる粒子「H|ダイバリオン」の存在をスーパーコンピューターを駆使した計算によって証明した。


この成果は、米国の物理学専門誌「フィジカルレビューレターズ」に4月22日付で掲載された。これまで複数個のクォークが作る粒子は3個の陽子や中性子、2個の中間子が知られていたが、6個からなる粒子の存在を証明したのは初。
 H|ダイバリオンの存在は、1977年に米国の物理学者ロバート・ヤッフェが予言していたが、加速器で粒子を衝突させて別の粒子を作る実験ではまだ発見されていない。井上助教らは筑波大学計算科学センターのスーパーコンピューターを用い、クォーク3個からなるバリオン同士の衝突をシミュレーションする膨大な計算に挑戦。一般にバリオン同士は至近距離で退け合う性質があるが、特定のバリオンの組み合わせでは至近距離でも引き合う結果が得られた。これにより二つのバリオンではなく6個のクォークからなる一つのダイバリオンであることが証明された。この発見は、超新星爆発などの宇宙の物理現象の解明にもつながると期待される。