人口研 養育費の増加が要因 低出生に関する国際会議

総合

2008.12.17 18:57

 本学人口研究所主催の国際会議「アジアにおける低出生と生殖に関する健康」が11月12日から14日まで東京・九段のホテルグランドパレスで開催され、世界各国の研究者約50人が参加し「低出生のメカニズム」などアジアの人口問題をめぐる25のテーマについて研究報告を行った。


 同研究所長の小川直宏教授(人口経済論)は、世代間の金銭の移転を数値化したNTA(国民移転勘定)という指標を使用し、アジア各国で子どもが自立するまでに掛かる費用を比較した。台湾での1977年から2003年の調査結果では、費用が約2倍増えると出生率は2・70から1・24に減少した。日本でも同様の結果が得られており、小川教授は子育てに掛かる費用の増加が東アジアで共通の低出生率の要因となっていると推測した。小川教授は「出生率の底上げのために給付されている養育手当の金額が少ない。出生率回復には効果がない」と指摘した上で出生率が高い欧州の政策を日本にそのまま導入しても効果は薄いと述べた。
 また、同研究所の松倉力也准研究員はアジアにおける未成年者の性行動の現状と問題点、不妊や夫婦間の性交渉の頻度など低出生国ならではの生殖に関する論文を発表した。
 昨年、同研究所は「人口」「健康」「開発」の3分野で世界保健機関から研究拠点に認定されている。