【ルポ】ニューカッスル留学記㊦ 異文化と通じ合えた研修
ニューカッスル大学短期海外研修(スプリングスクール)では、現地学生とのアクティビティや放課後の時間も大きな学びの場となった。海外の土地を歩き、現地の学生と話すことで海外の文化の現状を体感できた。
授業は午後3時に終わる。放課後はそれぞれが思い思いの時間を過ごした。記者は友人たちと共に寮の近くの商店街やスーパーを見て回った。
ニューカッスルの商店街にはレストランや雑貨店のほか、ビーチが近いためか水着を取りそろえている店、現地のコンビニエンスストアが立ち並ぶ。日本では見たことのないメニューや商品があり、とても新鮮に感じられた。
その一方で、日本でも馴染み深い「Sushi」や「Ramen&Gyoza」の看板が目に入る。現地の人を多く見かけ、食事を楽しんでいる様子だった。さらにスーパーには味噌汁や白米など日本食が売られていた。
約3週間を通して、記者は何度もオーストラリアでの日本文化の広がりを目にした。これまでニュースで見る機会は多かったが、それは世界の中でほんの一部に限られているのではないか。そう感じていたが、実際にここニューカッスルにまで及んでいることに驚きを禁じえなかった。
また、週に2回ほど授業の間の昼休み時間を利用して、スプリングスクールの参加者と現地の学生との文化交流の場が設けられた。現地の学生がさまざまなアクティビティを企画。オーストラリアのスラングを習い、意味を当てるクイズや、カードに書かれた英単語を隠して説明し合い、その単語を当てるゲームを楽しんだ。
現地の学生は日本の文化にとても詳しい。特にアニメや「YOASOBI」などのJ―POPといった日本のサブカルチャーに興味があるようだ。日本への旅行経験を持つ学生もいた。交流を通してオーストラリアの学生との違いを知ることもあったが、むしろ理解できることの方が多く思えた。
記者は日本人と外国人との違いについて考えさせられた。今までは異なる文化のもとに育てば理解し合うことは困難だろうと考えていたのだ。しかし遠く離れた外国の学生と心が通じ合ったときや、日本の文化が受容されその地の日常に馴染んでいる情景を見るたびに、分かり合えることがあるのだと気づいた。
「外国」と聞くと、全く違う世界に感じられてしまうかもしれない。だが実際に交流し、そして心が通じ合う瞬間があれば、そこが意外にも「同じ世界」であることに気づくだろう。記者はこれまで文化の違う海外へ行くことに不安を抱いていたが、恐れることはなかったのだ。 (井上真結)
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