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特集・連載

学生が求める!新たな日本大学 ー(2)設備ー

ネット環境整備に学部間格差

第二回目のテーマは「設備」。全16学部の学生146人を対象にアンケート調査を実施し、さまざまな意見を集約した。今回は多くの学生が利用する学生食堂(学食)と学内のWi-Fi環境について課題を探り提言する。

9割が学食の味に満足

学食においては「味・ボリューム・価格・メニュー内容・メニュー数・混雑度」の六つの項目について、満足度を調査した。
 最も満足度が高かった項目は「味」だった。「とても満足」と「おおむね満足」の回答は合わせて88・4%。約9割の学生が学食の味に満足している。理由として「味付けが濃くてよい」などの若者らしい声が複数あった。また、「ボリューム」「メニュー内容」「メニュー数」も7割以上が満足。特にメニューは「日替わりメニューがあって飽きない」といった意見が目立った。
 一方で「混雑度」は学食の利用経験がある学生の全員が「昼時の学食は混雑」と回答。うち9割以上が混雑を理由に利用をやめた経験があるとした。混雑の原因の中には「現金決済のみで時間がかかるから」との指摘があった。学食でキャッシュレス決済を導入している学部もあるが、国際関係など一部学部はいまだ導入していない。同学部学生課は「以前導入を検討したが、手数料がかかり学食の価格に影響を及ぼすため断念した」とのことだ。「価格」については「満足」が59・0%。「値上げ」を不満に上げる学生も多かった。
 今回の調査で、価格や混雑度で課題が見えた。改善策として学生からの提案で多かったのは「地域飲食店との連携」「カウンター席の増設」「交通系IC決済の導入」の三つだ。この中で地域飲食店との連携は混雑解決策で最も学生から好評だった案。提携した飲食店で本学の学生証を提示すれば割引が効くようにすることで、利用者が分散し地域との交流が生まれて地域活性化も図れる。
 カウンター席の増設では「1人席を増やしてほしい」といった意見が多かった。また交通系IC決済の導入は決済時間が短縮され混雑緩和に結び付く。今やキャッシュレス決済は学生など若年層の中では「設置が常識」。導入を急ぐべきだ。

 Wi-Fi接続に課題

学内のWi-Fi環境においては接続状況や接続方法を調査。接続状況は「とても良好」「おおむね良好」を合わせた回答が7割以上を占めた。しかし、授業などで大人数が一斉に接続すると「つながらなくなる」「通信速度が遅くなる」といった意見が多かった。
 学部や校舎によって接続の良し悪しも分かれた。歯学部では各クラブの部室などを備える3号館地下エリアが、「Wi-Fiはつながらず携帯電話も圏外になり困る」との声が挙がった。同学部学生課担当者は「導入を検討しているが、予算の関係で進んでいない」と回答した。
 接続方法も調査した。多くの学部が学生番号やパスワードを入力することで接続が可能。だが、国際関係学部や松戸歯学部では教務課などの窓口で初期設定をしてもらう必要があり手間がかかる。
 国際関係学部ではパソコンとタブレット端末のみ接続ができ、スマートフォンは接続ができない。この問題は2023年度「学生FD CHAmmiT」学部提案書でも指摘された。同学部は「24年度からスマートフォンでもWi-Fiが使用できるよう準備を進めている。教務課窓口での申請手続きも不要の予定」と回答。6月11日時点で同学部からは「具体的なスケジュールは答えられないが、調整を重ねている」と明確な開始時期を得られなかった。

迅速な改善実行が必要

今回の調査でわかったことは学部間での設備状況の開きだ。設備の改善には時間とコストがかかるが、多くの学生は4年間で卒業してしまう。学生からの要望にもっとスピード感をもって実行に移してほしい。
 (松本孝太)
 

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