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【ルポ】ニューカッスル留学記㊤ 大切なのは流暢さより「意志」

 本学は2月9日から3月4日にかけてニューカッスル大学短期海外研修(スプリングスクール)を実施した。さまざまな学部から集まった14人の仲間と共に本紙記者も参加。本学初の海外拠点、日本大学ニューカッスルキャンパスに滞在し、語学研修やウォーキングツアーなどのアクティビティを体験した。

 シドニーからバスで2時間。オーストラリア・ニューサウスウェールズ州にあるニューカッスル市は、穏やかな雰囲気に包まれた海辺の街だ。

 平日は現地にあるニューカッスル大学の語学学習プログラムに参加して英語を学んだ。習熟度別に3クラスに分かれ、それぞれのクラスで約3週間に渡って授業を受けた。記者の在籍したクラスには本学の学生5人のほか、サウジアラビアや中国、ラオスからの留学生約10人も加わり、クラスメートとして過ごした。

 授業は1日に4時間。語彙(ごい)や文法、長文読解などの授業が行われた。授業形態はグループごとに話し合いながら問題を解くグループワークが基本。そのほか授業で扱ったテーマに沿ってディスカッションも行った。

 グループは異国出身者同士で組まれた。互いに母国語では会話できないため、コミュニケーションをとるには英語を使わなければならない。みな英語学習の途上であることを考えると、「話し合いどころか教室が静まりかえるのではないか」と記者は当初、考えていた。

 しかし、実際はその逆だった。発言が非常に活発だったのだ。全員とも英語は決して流暢(りゅうちょう)なわけではない。言葉に詰まることも多々あったが、それでも伝えようと懸命に発言していた。記者にとってその様子は非常に新鮮で印象深かった。

 あるクラスメートは英語で正しく話せているか不安だった記者に「大丈夫。伝わっているよ」と、そっと話してくれた。記者の英語も拙いものだったと思うが、意味は相手にきちんと伝わっていた。

 日本人だから英語はうまく話せない―。そう思い込んでいる人も多い。だがそれは、英語を流暢に話さなければならないという思い込みが強すぎたのかもしれない。大切なのは流暢さよりも伝えようという意志だ。異国出身同士のクラスメートたちとの授業は、そう教えてくれた。

(井上真結)

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