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特集・企画

25卒 就活のトリセツ(4)最新の業界動向

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「広い視点」で業界に接して

最終回となる第4回目は、就職活動において最も重要な業界研究について紹介する。学生にとって苦手な業界の基礎知識や最近の動向、業界規模、主力企業や注目企業の情報やトレンドを知ることができる「会社四季報 業界地図」(東洋経済新報社刊)の許斐(このみ)健太編集長に、最新の業界動向や就活の心構えなどを語ってもらった。

大前提として、今どこの業界は元気があって、どこの業界は元気がないのかという現状把握が必要です。意外と花形業界と衰退業界を答えられない人が結構います。「なぜその業界は今その立ち位置にいるのか」という背景を理解することが、業界研究の第一歩です。

五つの業界トレンド

現在の業界トレンドは五つ。一つ目は「経営改革」です。いま世の中はものすごい勢いでデジタル化が加速していますが、その中で企業自体にも変革が求められているのに自社だけでは変えられない企業も多い。そんな時にコンサルティング会社など外部の力を借りて変えようと企業は選択しがちです。このため、コンサルティング業界やM&A仲介業などの収益が増加傾向にあります。

二つ目は「グローバル競争」。グローバル化が加速する中で競争力を持っている国内業界の一つが半導体製造業です。半導体は広い範疇で見れば電子部品にカテゴライズされ、日本企業が非常に競争力を持っている分野です。毎日使うスマートフォンやEV(電気自動車)などに使われる半導体の需要は高まっており、その製造に不可欠な半導体製造装置は日本企業が高い競争力を持っています。

三つ目は「DX(デジタル変革)」。デジタル化を支える会社などがあげられます。必要な人材不足をDXで強化しようとする企業は多く、どの企業も伸びています。

四つ目は「人口減少」。前述した三つは追い風トレンドでしたが、これは逆風トレンドに区分されます。例えば学習塾や育児、百貨店などが代表業界。日本国内の人口減少や少子化の影響を最も受けるので、市場規模が縮小し利益率が低下しています。中でもスーパー業界は競争が激しく利益率も下がっており、厳しい状況にあります。今後は業界再編による会社の規模拡大や、生き残るための仕入れ共通化といった合理化への動きが待ったなしです。

最後は「新型コロナの影響」。コロナ禍でホテル業界や鉄道業界などは甚大な打撃を受けました。徐々に回復してきていますが、まだコロナ禍以前に戻り切れてない業界もあります。コロナ禍による私たちの行動変容が大きな原因と思われます。

就活環境は良い状況

この先、人手不足は加速していき、人材が集まりにくい業界も多いので就職活動の環境は良いと思います。ただ、業界とは需要が増えれば市場規模が大きくなり、次に競争が激化します。

一方で産業構造の変化で需要が減ることもあり、時代状況と共に業界地図は浮沈を繰り返す印象があります。

だから、一概に今伸びている業界ばかりに目を向けるのでなく、自分でこの業界は伸びる、その業界の中でもこの企業が伸びるという研究を、就活の際にじっくりと考えることがいちばん大事です。

自身を見つめ直して

学生のみなさんにやってほしいことは自分自身を一度見つめ直すことです。世の中にはどのような業界があるのかを調べた先に自分のやりたいことと結びつけば、新たな志望動機につながります。自分の可能性を縛らずに、広い視点を持って業界に接していくことをお薦めします。