25卒 就活のトリセツ(3)UIJターン就職とは
オンライン化で選択肢増加
第3回目はUIJターン就職について紹介する。コロナ禍や生活スタイルの変化により、地方就職への関心が高まっているが、そのメリットや注意点を知っておくことは必要不可欠だ。そこで、本学が実施した合同企業研究会就職セミナーでの相談員の話などを基に、UIJターン就職成功の秘訣をまとめた。
UIJターンというのは進学、就職、転勤に伴って起こる人の移動を三つのアルファベットで表した総称。
Uターン就職は地方出身者が都心部の大学に行き、就職の際に再度地元に戻ることを指し、Iターン就職は一般的に都心部出身で都心部の大学に通っていた人が地方で就職すること。
ただ、地方出身者がその地元の大学に行き、就職を機に上京することも同様にⅠターンと呼ぶ。Jターン就職は地方出身者が都心部の大学に通い、出身地ではない別の地方へ就職することをいう。
コロナ禍で就活変化
地方就職のメリットとしては人混みなどの混雑を避けられ、金銭面やライフイベントの充足も図れる。東京などの都心部は満員電車での通勤が一般的だが、地方であればマイカー通勤も可能なため、通勤によるストレス要因を減らせるメリットがある。
金銭面でも都心部は生活費が高く、たとえ給与水準が高くても手元に残るお金は地方のほうが多くなる場合もある。さらに子育てなどのライフイベントにも効果的だ。
特にUターン就職であれば、子育ての際に両親が近くにいるだけで不安を軽減でき、仕事との両立がしやすくなる。奨学金返済を補助する道府県もあり、心理的、経済的な安定も求めやすい。
相談員として学生と接する厚生労働省委託地方人材還流促進事業LO活プロジェクト事業推進員の草山菜穂子さんは「ここ数年は地方就職に関する相談が増えている」と話す。
新型コロナで緊急事態宣言が発令されていた期間に、地元へ帰りたいのに帰れない学生が続出。メンタル面で支障をきたした学生も少なくない。未曽有の事態に都心部が機能しなくなることを恐れ、地方での就職を考える学生が増えているのではと分析する。
一方、地方では都心部よりも密接な人間関係が求められる。人間関係の構築が苦手な人やその土地ならではの文化を受け入れることが難しい人には向かない場合もある。
企業の地方移転も増
ただ、オンライン化が進んだことで得られるメリットは拡大した。それまでは「東京か地方か」しかなかった選択肢が両方考えられるようになった。
企業のIターンも増加している。帝国データバンクによると、2022年に首都圏から地方へ本社または本社機能を移転した企業は335社。コロナ禍直前の19年比1・4倍に増加した。企業が地方へ移転することで、その地域の地方創生につながり、UIJターン就職の増加を後押ししている。
一度生活をしてみて
では、UIJターン就職をする場合、どんな注意点が必要なのか。まず地方就職を考える人は観光客ではなく、その地方で実際に生活をしてみてほしい。
スーパーに行けばその土地の物価や嗜好が分かる。また、その地域の一番厳しい季節に訪れることで、本当にこの土地で生活していけるのかを見極められる。
学生の中には旅行で訪れた土地に関心を持ち、就職を希望することもあるが、旅行で行くのと生活をするのでは見え方が全く異なる。それを就職する前に知っておけば、実際に移住した際の生活に順応しやすくなるのだ。
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本学の23年度卒業生は47都道府県全てに就職。企業の求人も全都道府県から来ており、そのため地方就職に関する情報は本学就活サイト「NU就職ナビ」から確認できる。
就活は人生を左右する一大イベント。積極的に大学の就活ツールを利用してはいかが。
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