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特集・企画

新役員体制が始動  林理事長含め女性理事9人  大規模調査委で諸問題精査

理事長に作家の林真理子氏(68歳、1976年芸術卒)、第15代学長に酒井健夫氏(79歳、66年農獣医(現生物資源科)卒)をトップに据える「新生日大」の役員体制が7月1日付でスタートした。

新体制は同月15日付の追加選任も含め新理事24人、新監事4人、新評議員49人の陣容。うち副学長には本学教授の大貫進一郎(ものづくり技術)、澤田康広(刑事訴訟法)、武井正美(内科学(リウマチ膠原病))の3人、常務理事に精神科医の和田秀樹氏(62歳)が就任したほか、本学初の女性理事として林理事長を含む9人を起用、評議員も14人の女性を選任した。

また、理事長や理事会の諮問に答える本学顧問にオリックスのシニア・チェアマンである宮内義彦氏(86歳)を委嘱した。

林理事長と酒井学長は7月1日に東京都千代田区の日本大学会館で記者会見を開き、所信表明と今後着手する改革事案を発表した。

林理事長は三つの事案を発表。一つ目は本学の不祥事や資金の流れについて弁護士、公認会計士らをメンバーとする「大規模調査委員会」の設置だ。第三者委員会の調査報告では補い切れていない問題を精査し、本学の印象回復につなげる。

二つ目が「学生ファースト」の実現を目指し、学生、教職員と外部有識者らで構成する「N・N(ニュー日大)キャンペーン(仮称)」委員会の発足。学生の意見・要望を吸い上げて学習環境の改善に生かす方針だ。

三つ目は「オール日大によるサポート」体制の確立。120万人以上いる本学卒業生の規模を生かし「知恵のある方は知恵を、お金がある方はお金を。今こそ日大の文化の華を咲かせたい」と語り、東京都千代田区にある本学の音楽ホール「カザルスホール」を復活させる考えを示した。

三事案のうち、まずは大規模調査委員会の発足を先行し、本学にまつわる負のイメージを払拭させる。

教学優先の大学

酒井学長は一連の不祥事に起因していた「経営や管理・運営の優先」を改め、「教学優先の方針」で本学の再生、復興に取り組む決意を示した。

そこで本学の教育理念である「自主創造」の精神と教学優先を核とする「日本大学ルネサンス計画」を提唱。学部単位の専門知を深める「『個』の尊重」に加えて、16学部や短期大学部などを持つ総合大学の利点を生かす「『全』の一体感の創出」を実行することで、本学の教学を充実させる。実現のために教育DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進を行うと話した。

本学の復興実現は大学の質に関する自己点検を組織的に行う「内部質保証」の実質化が不可欠だと強調。現在、「不適合」の大学認証評価を受けているため、社会全体からの信頼回復に努めるとした。また、私学助成金不交付に伴う学費の値上げについては林理事長と酒井学長ともに「考えていない」と明言した。

学生へのメッセージ

林理事長 新しい日大を作るのは学生です。今後は学生の要望を吸い上げていく。そして在任中に志願者トップの大学にしたい。

酒井学長 林理事長と両輪となり、互いにチェック機能を果たしつつ、スピード感を持って復興に向かっていきます。

就任直後、本部で記者会見をする林理事長と酒井学長

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