メニューの開閉

学部・大学院

日藝賞 片渕監督が記念講演 「作品は花」独自の映画観

 第12回日藝賞を受賞したアニメ映画監督の片渕須直さん(57歳、1983年映画卒)の記念講演会が7月3日に芸術学部江古田校舎で行われた。片渕さんは芸術学部生ら約100人を前に、制作に当たっての資金調達の苦労や上映館と一体となったプロモーションなどを振り返り、映画作品を「花」に例える独自の映画観を披瀝(ひれき)した。

 片渕さんは映画を作るには「監督の知名度」が大切という話から切り出した。大ヒット作となったアニメ映画「この世界の片隅に」(2016年公開)の発表前はまだ世間に名が知られていなかった片渕さんは、制作費獲得に苦労したという。しかし、5分程度の試作品を作る費用をクラウドファンディングで募ったところ、3774人もの人が出資してくれた。大勢の人が自分のことや作品を知ってくれていると分かって自信につながったという。
 学生時代には、後に伝説的なアニメ監督となる宮崎駿監督の映画制作を手伝い、01年には「アリーテ姫」、09年には「マイマイ新子と千年の魔法」を世に問うたが、両作品とも興行収入が思うように伸びなかった。
 特に「マイマイ新子と千年の魔法」は自信をもって送り出したにもかかわらず、上映初日から客足が伸びず苦戦した。しかし、「絶対に面白い」と自信があった片渕さんは、SNSで映画の魅力を語るなど精力的に宣伝活動を行い、上映開始から4週目の最終上映では、東京の新宿ピカデリーの客席をほぼ9割がた埋めることができた。
 さらにその後も「夜の上映のみ」という形で約1年間、収容人数40人ほどの阿佐谷の単館劇場で上映を続けた。片渕さんは毎日舞台に上がってあいさつし、お客さんと向き合った。その期間を「映画館の従業員とお客さん、制作した自分たちが一体となることができた」としみじみと振り返った。この経験を「この世界の片隅で」の上映でも生かし、最初は町のミニシアターなどで積極的に上映を行ったところじわじわと人気に火がついた。
 最後に片渕さんは、映画を花に例えた。「僕らは花をつくるだけ、映画館で働く人やお客さんが水をあげて初めて成り立つもの。その結果がこの日藝賞の賞品であるブロンズのバラになっている」と締めくくった。
201807_geizyutu-katabuchi.jpg
              来場者に語り掛ける片渕監督

関連タグ

合わせて読みたい

学部・大学院

鳥人間コンテスト 10チーム中6位に

滑空機に津田沼航空研出場  読売テレビ主催の「鳥人間コンテスト2026」が7月25、26日に滋賀県彦根市の琵琶湖東岸で開催された。26日の滑空機部門に出場した生産工学部の津田沼航空研究会(目﨑大翔代表=機械工3)は53・ […]

学部・大学院

工 ロハスの畑 工農を融合した挑戦

畑移設し竹パウダーを分析 苗植えをする学生たち(提供=工学部庶務課) 工学部のオープンキャンパス実行委員会が取り組む「ロハスの畑プロジェクト」が4年目を迎えた。今年は学内工事に伴い畑を移設し、新たな環境でサツマイモ栽培を […]

  • 工学部

学部・大学院

自主創造プロジェクト 香水「Le Caché」

アイデアを製品化 開発に携わったプロジェクトのメンバー。右から原彩華さん(薬4)、鈴木理沙さん(同4)、中村美優さん(同4)、山田怜奈さん(同4)、白井芙佳さん(理工・物質応用化4)、栗藤明里さん(薬4)、髙山瑠那さん( […]

  • 自主創造プロジェクト

学部・大学院

芸術「日藝賞」講演 ラブレターズが登壇

 「結果が出るまで諦めない」 自身の学生時代について語るラブレターズの溜口さん(右)と塚本さん 芸術学部は6月10日に第20回「日藝賞」に輝いたお笑い芸人・ラブレターズの溜口佑太朗さん(41歳、2007年映画卒)と塚本直 […]

  • 芸術学部
  • 日芸賞

学部・大学院

日本商業学会 河股准教授が優秀論文賞

ロゴデザインの配色幅広げる  優秀論文賞を受賞した河股准教授  日本商業学会は5月30、31日に全国研究大会を横浜市の神奈川大学みなとみらいキャンパスで開催し、本学商学部の河股久司准教授(消費者行動)らの共同研究論文が優 […]

  • ピックアップ
  • 商学部

学部・大学院

法・政治研究会特別講演 加藤前財務大臣

日本経済を展望  法学部政治研究会が5月9日、前財務大臣で衆議院議員の加藤勝信さんを招き、特別講演会を同学部10号館で開催した。同学部生ら約50人が来場し、これからの日本の歩むべき道や成長型経済への実現などについて講演が […]