文理 「謡本」の歴史を展示 庶民に広まった能楽文化

学部・大学院

2015.8.17 14:51

 文理学部資料館で「謡本(うたいぼん)の世界―近世の出版文化と教養」展が7月31日まで開催されている。


 和歌文学研究者として著名な有吉保名誉教授の寄贈資料を中心に、同学部の所蔵資料60点以上が展示されている。
 謡本とは、能の声楽部分に当たる「謡(うたい)」を稽古用に記したもので、室町時代以前は主に能の演者が読むものだった。江戸時代に入ると、「謡」の謡どころ、聞きどころの一節を抜き出した小謡(こうたい)をまとめた「小謡本」が武士や町人の間で流行。寺小屋で教科書の役割を持つ往来物として使われるなど、謡本は庶民の生活に浸透していった。今回は酒宴などの余興で披露される小謡を集めた「小うたひ百二十番」などを展示し、この時代の人々と謡本の関わりを解説付きで紹介している。
 また、能の演目の一場面を描いた「能絵巻」や舞台と客席全体を図解にした「能舞台図」などの絵画資料も展示され、代表的な演目「翁」などの曲目を視聴できるコーナーも設けられている。
 来場した吉田悠生さん(文理・国文1)は「謡を楽しむ江戸の人たちの姿が思い浮かんだ。能楽の知識はまったくなかったが勉強になった」と話した。