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清流

【清流】第1457号(2025年4月号)

 本学は不祥事によって毀損した信頼を取り戻すべく、ガバナンス体制などの改革に取り組んできた。改善改革会議も今年度からガバナンスと組織風土の改革実行に向け、改善改革推進会議に発展する。そんな変化の表れは入学式や卒業式の挨拶の中にも感じられた。
▼林真理子理事長は「数々の試練をバネにして、私たちは努力し知恵を絞ってきた」と語り、大貫進一郎学長も「皆さんの母校が日本大学であることに誇りを持っていただけるよう、これまでにも増して力を注ぐ」と述べた。
▼式辞や祝辞には「挑戦」「未来へ」などの希望を込めた言葉が目立つ。背景には大学認証評価の適合や一般選抜志願者数の増加といった改革の成果があるだろう。また、教育理念の自主創造を軸に知のネットワークをつなぐ「リベラルアーツ」や「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」といった、若者の可能性を広げる表現も並んだ。
▼一方で、こうした前向きのメッセージが、どれだけの学生に届いているかは疑問だ。本紙が昨年12月号に掲載した意識調査では、大学改革に関心がない学生が6割強を占めた。入学式でも新入生から「不祥事に対して大学がどうしてきたかは興味がない」「大学にはあまり期待していない」といった残念な声が聞かれた。
▼大学をよくするには、私たち学生にも役割と責任があるはずだ。必要なのは「語りかけ実行する大学」と、それに応じて「意見を述べ自ら道をひらく学生」が、ともに大学の信頼を築き直す姿勢だ。そのためには本音で双方が語り合える場が必要ではないだろうか。

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