【清流】1446号 (2024年 5月)
学生が本学で学ぶ価値とは何だろうか―。
本紙が卒業生対象に実施したアンケート調査では、本学の卒業生であることを「誇りに思う」理由として「学生数が多い」「著名な卒業生がいる」などの回答があった。本学は16学部86学科で学生数約7万人、卒業生約126万人を誇る大学だが、日本最大級の規模と多様性のメリットを学生は十分に享受できているのか
▼本学は2023年度卒業時調査で「他学部の学生と交流する機会」について調査したが、約6割半の学生が「(全く・ほとんど)なかった」と回答。一方で「他学部の学生と交流したい」との前向きな回答も同様に約6割半を占めた。現実と願望の大きなギャップを解消することは、本学の価値や「学生ファースト」を高める上で第一歩となろう
▼学部の垣根を越える方策として、交流面ではコロナ禍前まで実施していた全学的な「NU祭」を学生の手で復活させるのも一つ。「学生FD CHAmmiT」や長野県軽井沢町での「リアル宝探し」など学生交流イベントに参加するのも良い
▼学修面では芸術や危機管理など多様な学問領域を、より自由かつ簡便な方法で学べれば、他大学にはまねのできない大きな価値と魅力を生み出す。多士済々の卒業生にも協力を求めたい。著名な芸能関係者に限らず、約2万人の本学出身社長(東京商工リサーチ調べ)らから「実践的な講義」を直接学修できれば有意義だ
▼若年人口が減少する中で大学も戦略再構築が求められる。本学にしかない「生きたIP(知的財産)」を学生のためにもっと有効活用すべきだ。
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