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学生生活に潜む犯罪に要注意! ー違法薬物ー

 昨今、大学生が軽い気持ちで犯罪に手を染めてしまうケースが増えている。今年に入って注目されたオンラインカジノ。芸能人やスポーツ選手の利用が報道された。大麻が絡む違法薬物事件は逮捕される20代以下の割合が7割を占め、大学スポーツ界での事件も後を絶たない。さらに闇バイトでも多くの学生が逮捕されている。これらの犯罪は一度でも関わると人生を棒に振ってしまう。まずは危険性や違法性を正しく認識することが重要だ。(取材=中道誉悠)

大学生の大麻検挙
10年で8倍に激増

 大学スポーツ界における違法薬物事件が後を絶たない。今年6月以降も柔道の名門・国士舘大学柔道部で複数部員が大麻を使用したと報道された。そのほか天理大学ラグビー部の部員、専修大学元柔道部員の学生が麻薬取締法違反の疑いで逮捕された。この2カ月間で、大学競技部の学生らが関係する違法薬物事件が相次いでいる。
 本学でも2020年にラグビー部の部員が大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕され、23年のアメリカンフットボール部(当時)の事件では部員とOBの卒業生を合わせ複数名が検挙された。
 しかし、違法薬物事件は何も大学スポーツ界に限った話ではない。予想以上に大麻の闇は若者に広がっている。

20代以下が全体の7割

 警察庁によると大麻の検挙者は14年から増加傾向にあり、23年には6482人と過去最多を更新。昨年はやや減少するも23年に次ぐ6078人が検挙された。うち20代以下は4478人で7割を超す。23、24年の大学生の検挙者は233人、229人に達し、15年の29人から約8倍に激増している。
 20代の初犯率も以前までは8割を切ることはなかったが、近年は減少傾向で昨年は過去10年で最低となる73・9%。再犯率が増加しており、深刻な状況を招いている。
 合法ドラッグや脱法ハーブと言われる「危険ドラッグ」の20代以下の検挙者数も昨年410人となり、過去10年で最多に。減少傾向だった21年の34人を底に22年から増加に転じ、24年は21年比約12倍に膨らんだ。

6割強が有害性を軽視

 20代以下の検挙者のうち、大麻の有害性を「ない」「あまりない」と答えた割合は65・4%と、有害性の認識は驚くほど低い。それに対し、覚醒剤は「ない」「あまりない」の割合が4・8%とわずかだ。危険性を軽視する情報の入手先は20代未満は友人・知人などの身の回りの人物からが47・3%と約半数を占める。20代はインターネットが45・7%と最も高い。専門家による正しい情報が入りにくくなっている。
 また、23年に国立精神・神経医療研究センターが10代から60代に行った調査によると20代で大麻使用について「どんなことがあっても使うべきではない」「使うべきではない」と回答した割合は86・6%。全世代で比較すると最も低く、さらに5・2%が「少しなら構わない」「個人の自由」と違法性を認識しない若者もいる。この回答は8年前より増えており、大麻使用を軽視する傾向は根強く残ったままだ。

中嶋順一教授に聞く
市販薬の過剰服用で死亡も

 違法薬物問題に詳しい薬学部の中嶋順一教授(衛生薬学)に話を聞いた。
 未規制薬物や危険ドラッグを規制するには化合物を一つ一つ研究し、本当に薬物として危険なのかを検証する必要があります。現在、外国ではデザイナードラッグと言われる未規制の新たな薬物が次々と生み出され、流通しています。日本では約2400以上もの物質が取り締まりの対象となっており、いたちごっこの現状にあります。
 大麻は幻覚症状起こす
 大麻には、特につぼみなどに多く含まれるテトラヒドロカンナビノールという幻覚成分が知られています。この成分が脳にあるカンナビノイド受容体に結合すると、知覚を変化させ、パニック状態を引き起こします。さらに幻覚、時間や空間認識の異常、記憶障害などの症状も現れるとされています。
 覚醒剤は日本では主にメタンフェタミンと呼ばれる物質が知られています。メタンフェタミンは幻覚や妄想を引き起こし、大量に使用すると死に至ります。また、市販のせき止め薬の中にもメタンフェタミンと似た化学構造を持つ物質(メチルエフェドリンなど)が含まれている場合があります。その物質は適切に服用すれば気管支を拡張させて咳を鎮めたり、鼻詰まりを緩和させたりする効能があります。しかし、通常より過剰に服用するオーバードーズを行うと覚醒剤的な作用が出る場合があります。死亡例も報告されており、非常に危険です。
 また、薬物を使用すると体に耐性が付き始め、同じ量でも効かなくなります。次第に使用量と回数が増え、精神疾患や血圧上昇、肝機能障害などを発症するリスクが高まります。
 周りに悩み打ち明けて
 私たち一人一人は大切な存在です。薬物に頼る前に、学生の皆さんは各キャンパスにある学生支援室、保健室に悩みを打ち明けることが可能です。ぜひ相談してみてください。

 なかじま じゅんいち 1991年本学理工学部薬学科卒。97年都立衛生研究所理化学部医薬品研究科(2003年より都健康安全研究センターに組織名改変)。21年同薬事環境科学部環境衛生研究科長。15年本学薬学研究所客員研究員。24年より現職。

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