―工― 橋梁点検業務の負担軽減 腐食検出AIカメラ開発
開発したカメラで撮影する様子(提供=中村准教授)
工学部は4月9日、子田康弘教授(コンクリート工学)と中村和樹准教授(地球科学)らの産学研究グループが福島県内の企業などと共同で、橋梁(きょうりょう)点検者の点検業務を支援する鋼橋の腐食検出AIカメラを開発したと発表した。
国内全ての橋梁は5年に一度、専門的な知識を持つ技術者による近接目視点検が国によって義務付けられているが、点検技術の継承や技術者不足が問題となっていた。
そこで同県産学連携ロボット研究開発支援事業(2021年度から23年度)の採択を受け、同学部が保有する技術や知識を生かし、同県の地域に根差す活動をできないかと研究を進めてきた。
今回開発されたAIカメラはコンパクトデジタルカメラのように持ち運び可能で、点検現場で腐食の有無を確認できるため、点検業務の負担を軽減できる。
同カメラにはAIを搭載。撮影した写真をAIに学習させ、検出精度を向上させることを可能にした。また、SDカードを変えることによってコンクリートの漏水や剥離、鉄筋の露出などコンクリート橋の変状検出点検にも利用できる。
AIは膨大な画像データを学習する必要がある。当初は画像データが少なく苦労したが、同県土木部から状況写真の提供を受けたことが開発の成功につながった。
中村准教授は研究成果を受けて「福島県だけではなく、他の地方で使ってもらえるように汎用性を持たせたい」と、同カメラのさらなる活用を語った。
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