自転車部 いわきでロード合宿
被災地復興の新たな活力に
自転車部は2月18日から20日まで福島県いわき市でロード合宿を行った。同部が2月に合宿を行うのは創部以来初めて。同市内での合宿は昨年11月に続いて2回目になる。
今回の合宿には同部の井上由大監督とマネジャー1人のほか1、2年の選手が8人参加。走行するコースはいわき七浜海道や福島第二原発付近などを通る約160㌔㍍。海沿いや山の中など起伏のある道を走り抜ける。今回の合宿を誘致した福島県庁いわき地方振興局の吾妻嘉博局長(58)は、練習中の誘導を率先して行い、安全面にも十分配慮している。
同県は2011年3月11日に発生した東日本大震災で甚大な被害に見舞われた。また、地震や津波による被害のみならず、福島第一原発事故を受け、風評被害にも苦しんだ。
約3年前からは新型コロナウイルスが感染拡大。観光産業への打撃が追い打ちをかけた。
吾妻さんは「風評の払拭と震災の記憶風化の防止は福島県の大きな課題になっている」と話す。そういった中で復興により新たに建設、整備された道路を地域振興につなげるために、同部の合宿などの誘致を開始したという。将来的には全日本大学対抗選手権(インカレ)の開催を目指している。
合宿に参加した吉川敬介さん(経済・経済2)は「寒いかなと思っていたが、気候に恵まれて暖かく練習がしやすかった」と話した。吾妻さんも「自転車で走る大学生を見て、地元の人たちが元気になっていたのは想定外の効果だった」と相好を崩す。
東日本大震災からことしで12年―。同地方振興局では自転車による交流人口の拡大が促進され、被災地の新たな活力につなげられればと考えている。
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