歯 今井教授らが世界初
オミクロン株の感染拡大要因を発見
歯学部の今井健一教授(感染症免疫学)、名古屋市内の高田内科クリニックの高田統夫院長ら本学の兼任講師3人のグループが、新型コロナウイルスのオミクロン株感染者の唾液中には従来株やデルタ株に比べて、空気中に長時間漂い感染拡大の要因と考えられるウイルスが多く含まれることを世界で初めて発見した。この研究はアメリカ医師会雑誌「JAMA Network Open」に掲載された。
新型コロナウイルスは従来株からデルタ株、オミクロン株へと変異を続け、現在はオミクロン株を主流に感染拡大している。爆発的な感染拡大の原因として空気中を漂う細かな飛沫(ひまつ)を吸うことによる「エアロゾル感染」が考えられているが、そのメカニズムについてこれまで明らかにされていなかった。
この問題を解明するため、今井教授は2020年の5月ごろから研究に着手した。高田院長が営む診療所で従来株、デルタ株、オミクロン株の感染者からそれぞれ唾液を採取。さらにウイルスはどの部分に多く存在するかを調べるため、遠心操作によって唾液を全唾液と細胞成分を除いた上澄み液に分けて解析を行った。
その結果オミクロン株感染者の唾液1㍉㍑中には、従来株やデルタ株に比べて、宿主細胞の内外に付随しない「セルフリーウイルス」が従来株(約18万個)の17・8倍、デルタ株(約117万個)の2・7倍多く含まれていることが分かった。
唾液に含まれるウイルスが付着する口腔細胞は、直径が約15㍃㍍と大きく、飛沫は1~2㍍ほどで落下してしまう。一方でセルフリーウイルスは0・1㍃㍍と非常に小さく、空気中に長時間漂うことが可能なため、オミクロン株による急激な感染拡大の要因と考えられる。
今研究はセルフリーウイルスのエアロゾル感染に果たす重要性を世界で初めて提唱した点でも評価された。感染予防策として換気が有効である根拠を示すものであり、インフルエンザやはしかなどの感染症のほか、新たなウイルスが出現した際に感染対策を講じるための基本概念として応用が期待される。


発熱外来検査場での唾液処理の様子
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