文理 坂本教授らが開発
「ひきこもり度」測る質問票
九州大の加藤隆弘准教授(精神医学)と本学文理学部の坂本真士教授(社会心理学)、米・オレゴン健康科学大のアラン・テオ准教授(精神医学)はこのほど「ひきこもり度を簡単に評価できる自記式質問票」を共同開発した。
質問票には「一日中ほとんど一人で過ごす」や「知らない人に会うのが大好きだ」など他者との交流度合いを測る25項目がある。「あてはまらない」から「あてはまる」までを選択し0~4点に換算。その合計点数が高いほどひきこもり傾向が強いと推定される。
コロナ禍による外出自粛やオンライン授業・リモートワークの普及で、ひきこもりと縁のない人でも、社会とのつながりを半年以上持たない「病的なひきこもり」に陥りやすい。現在、ひきこもり状況にある人は国内で110万人を超えると推定されている。このため、ひきこもり予防のためにもリスクの早期発見が不可欠で、直近1カ月間のひきこもり傾向を判定する質問票を開発した。
開発にあたって、未就労の成人男性762人を対象に、今回開発した質問票でアンケートを実施。すると、ひきこもり期間の長さと質問票の得点の高さに正の相関がみられた。また、1カ月間の心理的苦痛を推量する10項目のアンケート結果からも質問票との有意な相関がみられた。
年齢を問わず使用でき、今後は学校や会社での健康診断などにも広げていく意向だ。(オンラインでも回答可能。ひきこもり研究ラボ@九州大学「1カ月のひきこもり傾向チェック」)
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