生物資源科 細胞毒性物質を発見
周防助教国際共同研究に貢献
生物資源科学部の周防玲助教(海洋天然物化学)が、スイス連邦工科大学チューリッヒ校、メルク・アンド・カンパニー、東京大学、理化学研究所などの研究グループと実施した共同研究の成果が、イギリスの化学雑誌「ネイチャーケミストリー」9月号に掲載された。
周防助教は干潟由来の微生物「Gynuella sunshinyii」から発見された新奇化合物ジャヌスタチンの活性試験を実施し、遅効性の細胞毒性を有することを発見した。
微生物「Gynuella sunshinyii」は韓国の南海島で採取された植物シオクグの根に生息している。スイス連邦工科大学チューリッヒ校はこの微生物のゲノムマイニング(ゲノム情報を基に新しい天然化合物を探索する手法)から、新奇の化学構造を有するジャヌスタチンを発見していた。
周防助教はこのジャヌスタチンを哺乳類の細胞に投与し、通常(72時間)より長い90時間にわたる追跡を実施。すると、次々と細胞死を誘導する様子が見られ、強力な遅効性の細胞毒性物質であることを発見した。
今回の結果を受け周防助教は「この研究は活性の発見によって大きな共同研究に発展したため、思い入れがある。これからも海洋生物から医薬品の基となる化合物を見つけていきたい」と新薬開発への展望を語った。
![](https://www.nu-press.net/wp-content/uploads/2022/11/周防助教と共同研究の論文(ネイチャーえとき)-e1669578360684.jpg)
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周防助教と共同研究の論文
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