生物資源科 特殊なコムギを開発 地球温暖化の緩和に期待
生物資源科学部の飛田哲教授(環境資源管理学)はこのほど、国際農林水産業研究センター、国際コムギ・トウモロコシ改良センター、スペイン・バスク大と共同で、温室効果ガスの削減につながる「硝化抑制(BNI)」という働きを持つコムギ系統の開発に世界で初めて成功した。
近代農業は、作物成長の促進と収量向上のため、農地への窒素肥料の投入が不可欠である。しかし近年、窒素肥料の過剰な施用による環境負荷が大きな問題となっている。
窒素肥料は「アンモニア態窒素」で与えられることが多い。アンモニア態窒素は土壌微生物の働きで酸化され「硝酸態窒素」に変化する。その過程を「硝化」と呼ぶ。硝化のスピードは著しく速く、二酸化炭素の298倍もの温室効果を持つ一酸化二窒素ガスなどを発生する。また、硝酸態窒素は溶脱しやすく作物に吸収される前に多くが水圏環境に流れ込み、水域の汚染や富栄養化を引き起こす。
飛田教授らが開発したBNI機能を強化したコムギは、根から化学物質を分泌し、土壌微生物による硝化を抑制する。アンモニア態窒素は長く土にとどまるため、コムギは多くの窒素を吸収することができ、少量の窒素肥料で収量を維持、向上できることが示された。
BNI機能を強化したコムギ系統は、高いBNI機能を持つコムギの近縁野生種である「オオハマニンニク」の染色体の一部を、コムギの染色体の一部と組み換える属間交配という手法を用いて作られた。
飛田教授は「今後はコムギ栽培において、窒素肥料を過剰使用している国の一つであるインドで研究を行う予定。農業活動による地球温暖化の進行緩和に寄与できれば」と話している。
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