生産工 劣化アスファルト回復 秋葉教授らの研究に論文賞
生産工学部の秋葉正一教授(土質工学)、加納陽輔准教授(同)、赤津憲吾助手が「劣化アスファルトに対する水熱分解の回復効果」に関してまとめた研究成果がこのほど、石油学会論文賞を受賞した。
道路舗装に用いられるアスファルトは、敷設から10年以上を過ぎると徐々に劣化して硬く、もろくなる。「疲労ひび割れ抵抗性」の低下は路面のひび割れを引き起こし、「耐流動性」の低下はでこぼこの原因となる。
秋葉教授らは2018年、粘度が高く硫黄を多く含む超重質油の脱硫化などに用いられる「水熱分解法」という技法を使って、劣化アスファルトを350度の状態で15分間反応させると強度が新しいアスファルトとほぼ同じ状態にまで回復することを明らかにし、土木学会舗装工学論文奨励賞を受賞した。
今回の研究では、一般的に使われるアスファルトの中でも老化の進行が懸念されている数種類のアスファルトについて、どの程度まで性能が回復するかを検討した。
その結果一定の温度と時間の下で反応させると「疲労ひび割れ抵抗性」も「耐流動性」のいずれも向上し、十分に再利用できる程度まで回復することを確認した。
加納准教授は「実用化を視野に、産官学連携体制のもと、より効率的かつ効果的な再資源化技術の実現を目指す」と話している。
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