医 アレルギーの原因物質を特定 新治療薬開発に光明

学部・大学院

2021.4.20 16:20

医学部付属板橋病院アレルギーセンターの岡山吉道センター長を中心とした研究グループがこのほど、アレルギー特有のかゆみや炎症を悪化させたり、長引かせたりする原因物質を特定、そのメカニズムを解明した。
同研究グループは、アレルギー疾患で炎症の惹起や症状の悪化に関わる免疫細胞の一種「マスト細胞」の働きに着目した。ヒトの皮膚や気道などに存在するマスト細胞は、表面にスギ花粉などのアレルゲンが結合すると「細胞外小胞」という微小物質を遊離させる。
研究グループがこの細胞外小胞に内包される核酸の一種であるマイクロRNAを網羅的に調べたところ、「miRNA―103a―3p」が特異的に遊離し、皮膚や肺などに存在する免疫細胞「2型自然リンパ球」の活性化を増強して「IL―5」というタンパク質の産生を増加させていることを突き止めた。IL―5はアトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー症状の重症化を引き起こす物質として知られる。
研究グループはこの結果から、細胞外小胞中のmiRNA―103a―3pの働きを阻害する方法を開発できれば、新たな治療薬の開発が期待できるとしている。
国立成育医療センター、順天堂大との共同研究による成果で、本学医学部からは岡山センター長のほか豊島翔太ポスト・ドクトラル・フェロー(アレルギーセンター)、權寧博教授(呼吸器内科学)、葉山惟大助教(皮膚科学)が参加。研究論文はことし1月に米国のアレルギー学会誌の電子版に掲載された。