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学部・大学院

医  紫外線ロボ開発に参画 新型コロナ不活化に成功

医学部の権寧博教授(呼吸器内科学)らが開発に関わった自走式紫外線照射ロボット「UⅤ Buster」がこのほど、本学医学部付属板橋病院での新型コロナウイルスを不活化する実証実験に成功した。国産ロボットでは初の成功例という。
実験は、板橋病院内の安全キャビネットで行われた。シャーレ上で培養した新型コロナウイルスにロボットに搭載した紫外線ライトを約30㌢離して照射したところ、約10秒間の照射でウイルス検出の下限値まで不活化することに成功した。
照射する深紫外線は強い殺菌効果があり、人体にも有害なため、屋内で使う場合は無人にして遠隔操作で行う。
ロボットは80㌢×60㌢の四輪台車に機器を乗せた形状。高さは約170㌢。壁を認識しながら壁から30~50㌢の距離を保ち自走する。床や家具上部から多く検出されるコロナウイルスに対応するため、照射ライトは台車下にも1本取り付け、側面の7本は照射角度を可変式とした。
板橋病院での新型コロナ患者の診療責任者である権教授は、病棟の受け入れ環境改善に取り組む中で東京都板橋区からの打診を受け、UV Busterの実証実験に加わった。
開発プロジェクトは同学部と理化学研究所、農作物の害虫除去を専門とする株式会社ファームロイドが協力して進めた。
UV Busterはすでに板橋病院のほか三つの医療施設などに導入されている。今後は本学の生産工学部も加わり、AIを用いた自動走行や照射部分をマッピングし記憶させる機能のプログラムなど予定している。

高さ170㌢の「UV Buster」

(写真提供・株式会社ファームロイド)

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