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学部・大学院

工  教訓生かし水害対策提言へ 強靭化プロ始まる

昨年10月に台風19号による甚大な被害を受けた工学部がこのほど、浸水被害拡大の原因を究明し今後の水害対策を提言する「キャンパス強靭(きょうじん)化プロジェクト」を立ち上げた。3月14日開催予定の中間報告を兼ねた「速報会」は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となったが、今後も郡山市と連携し被害調査・研究を行う。
プロジェクトは、コンクリート工学を専門とする岩城一郎教授(土木工学科)を中心とする同学部の教員14人で昨年10月に発足した。在学生の4分の1にあたる約1000人が被災したことを受け、将来の豪雨災害を想定し強靭なキャンパスを実現するのが目的。
プロジェクトには二つの作業班(タスクフォース)を置く。タスクフォース1では、キャンパスの南側を流れる阿武隈川と、その支流でキャンパス内を流れる徳定川からの氾濫(はんらん)がどのように広がったのか調査した。
ドローンを飛行させて計測した地形や台風襲来時の降水量、キャンパス内の浸水状況などのデータを収集しデータを解析した結果、堤防が未整備だった阿武隈川の御代田(みよた)地区から大量の水が流れ込んだ上、徳定川からもその約4分の1の水量が流れ込んだことが分かった。
今後は、どのエリアにどの程度の深さの浸水が発生したかを立体的に明らかにする。
タスクフォース2では、河川氾濫時の学生の実際の避難行動を明らかにするためのアンケートを実施した。
タスクフォース1で明らかになった洪水状況をシミュレーションにより再現し、当時の避難行動の安全性を評価。その上で、キャンパス内で特に浸水被害の少なかった70号館を学生や地域住民の避難場所と想定した場合の、安全避難のための行動やルートの確保を検討する。
また、このシミュレーションをさらに高精度化し、新たな避難行動マップの作成とこれと連動した新たな避難計画の検討を行う。

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