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レスリング全日本大学 吉田兄弟ともに優勝

アラシは4年連続Ⅴ

 レスリングの全日本大学選手権が11月8、9日に大阪府堺市の金岡公園体育館で開催された。本学は、男子フリースタイル74㌔級で吉田アリヤ(スポーツ科1=東京・帝京高)が初優勝、同97㌔級で兄の吉田アラシ(同4=埼玉・花咲徳栄高)は4年連続の優勝を果たし、兄弟そろって栄冠を手にした。
 また、同92㌔級に出場した藤田龍星(商4=同高)は決勝を、1点差で惜しくも敗れ準優勝だった。

弟アリヤも圧勝し初の栄冠

 同74㌔級の吉田アリヤは、準決勝までをテクニカルスペリオリティ(10点差以上ついた時点で試合終了)とフォールで勝ち進む圧倒的な強さを見せた。
 迎えた決勝は初優勝を狙う林拳進(中大4)と対戦。試合開始1分で2点を先制し、その後も得点を重ね前半を5―0で終える。後半にも2点を追加しフルタイムの末、7―0でルーキーながら初の栄冠をつかみ取った。

 同97㌔級の吉田アラシは、準決勝で山梨学院大の増田大将(3)と対戦した。開始32秒で2点を取ると、その後は相手に攻撃の隙を一切与えず、ローリング技で一挙4点獲得。2分47秒でテクニカルスペリオリティ勝ちを収めた。決勝は相手選手の棄権により不戦勝。大会史上10人目の4年連続優勝を果たした(2024年のみ125㌔級)。

 同92㌔級の決勝に臨んだ藤田。ラストイヤーでの初優勝に向けて気合十分。前半は本橋知大(拓殖大3)に先制されるも、4点のがぶり返しを2回決めるなどし、14―6で折り返す。しかし後半は、藤田のスタミナが切れた隙を相手が見逃さず猛反撃。一時は8点差をつけたが、残り45秒で4点タックルを決められ逆転を許した。大激戦の末、18―19で惜しくも初優勝を逃した。

いつか兄を超す

 〇・・・「兄にやっと一歩追いつけたかなという感じ。いつの日か追いついて、追い越すことが目標」と兄の背中を追い続けてきたアリヤ。今回の優勝は兄・アラシに近づけた確かな一歩だ。

 アリヤがレスリングを始めたのは2、3歳の頃。イラン出身の父が運営するレスリングクラブで、兄たちと共に幼い時から鍛えられてきた。父の指導が厳しく「試合で勝たないと怒られるから楽しくレスリングができなかった。やらされていた」と当時を振り返る。

 そんなアリヤがレスリングの楽しさを知ったのは高校1年。少しずつ身長が伸び、体ができ上がってきたことで自分のやりたいレスリングができるようになった。
 さらなる上達を目指し兄のアラシにも自ら教えを請うた。アラシが得意とする組み手を習得するためだ。ちょうどその時期にアラシが膝の手術で実戦から離れていたため、マンツーマンで指導を受けた。今ではアリヤも組み手を得意とする。

 高校卒業後、アラシと同じ本学に進学。世界を相手に戦う兄の活躍はより身近に感じている。今大会で4年連続優勝を果たしたアラシ。アリヤも負けじとルーキーイヤーを優勝で飾り、兄と同じスタートラインに立った。
 4年生のアラシは卒業後も変わらず本学を練習拠点とする。「一緒にいてくれて安心する」と、目標とするアラシをこれからも追い続ける。兄のように世界を相手に伍して戦うため、アリヤの挑戦は始まったばかりだ。