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陸上競技部特別長距離部門 新雅弘監督 インタビュー

当たり前の積み重ねが「力」になる

 今年1月2、3日に行われた第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)。本学は総合10位で12年ぶりにシード権を獲得した。
 念願のシード校へ導いたのは、2023年5月に本学陸上競技部特別長距離部門の監督へ就任した新雅弘さん(65歳、1983年経済学部産業経営学科卒)だ。岡山県・倉敷高校(旧岡山日大高)の陸上競技部監督時代に3度の全国高校駅伝優勝を飾った手腕を生かし、本学チームを見事に再建した。「当たり前」を積み重ねる指導の根底にある考え、そして自らの学生時代の思い出や来季への展望、学生へのメッセージを聞いた。                    取材=藤井菜穂・写真=前島ひなた

責任を果たした10区

 高校(旧岡山日大高)に進学してから本格的に陸上へ打ち込みました。短距離ではスピードに限界があると感じ、上を目指すには長距離しかないと考えたからです。目標は全国高校駅伝出場。その思いが強かったので主将を任され、全国高校駅伝への初出場につながったのだと思っています。

 本学では競技と学業の両立を続けました。実は3年時に疲労骨折を経験し、箱根駅伝の出場機会を逃しています。その時は3区を走る予定でしたので本当に悔しかった。だからこそ最後の1年は毎日を無駄にしないと決めて臨みました。4年生として最終10区を任され、4位でたすきを受け取り、その順位を守ってゴール。区間賞を狙うというよりも、与えられた責任を果たすことだけに集中していました。

特別なことはしない

 卒業後は日本電気ホームエレクトロニクス(当時)に3年ほど所属し、その後恩師である高校時代の陸上競技部岡部硯二監督にお誘いを受け、倉敷高校のコーチに就任しました。コーチを8年、全国高校駅伝に16回連続出場の時から監督になり、29年務めた中で意識したのは、「特別なことをしない」という姿勢です。

 基礎を大切にし、「当たり前のこと」を徹底する。それが実は一番難しいことだと感じていました。全国高校駅伝に45年連続出場している中で3度の優勝も経験しましたが、全て選手がやるべきことをやった結果です。私自身が何か特別なことをしたという感覚はありません。
 選手には生活面も含めて話をしていました。日常の過ごし方が結果につながると考えていたからです。練習時間以外をどう使うかが重要だということを伝えてきました。

自分で判断する力を

 本学陸上競技部には学生時代にお世話になったからこそ、恩返しのつもりで監督を引き受けたのです。最初に目標を決める際、優勝は掲げませんでした。まずは9位から12位のシード権を狙える位置を目指す。それが現実的だと考えました。

 練習の組み立て方も整理しました。メニューは大きく分けて5、6種類です。それを学生にどう組み合わせるかを考えさせます。やらされるのではなく、自分で決めることで責任が生まれます。タイムも絶対ではありません。人間ですから、体調や環境によって変わります。だからこそ自分で判断する力が必要です。
 また練習だけではなく、残りの時間をどう過ごすかが大切になります。睡眠や食事、生活のリズムが競技力につながります。当たり前のことを当たり前に続けることが、結果に結びつくと考えています。

続けることが結果に

 今回は「シード権争いに絡みたい」と目標を掲げましたが、次は「確実にシード権を取る」という一つ上を目指します。急な変化を求めるのではなく、継続することが前提です。

 学生の皆さんにも同じことを伝えたい。特別なことをするよりも、基本を守ることが大切です。あいさつや時間管理といったことを徹底する。それが社会に出てからも土台になります。やるときはやる、休むときは休む。そのメリハリを持ってほしいと思います。

 やったことは裏切らないと考えています。結果がすぐに出なくても、続けることに意味があります。その積み重ねが力になります。

しん まさひろ

1961年1月28日生まれ、兵庫県出身。83年本学経済学部産業経営学科卒。86年に倉敷高陸上競技部のコーチとして着任し、94年に監督として就任。2023年5月から本学陸上競技部特別長距離部門の監督として就任、現在に至る。

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