JAXA理工・芸術 無事打ち上げ成功
てんこう2は五つの任務へ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月26日にH3ロケット7号機を、鹿児島県の種子島宇宙センターで打ち上げた。機体には理工学部の奥山圭一教授(航空宇宙工学)の開発した超小型人工衛星「てんこう2」を搭載した新型宇宙ステーション補給機1号機「HTV‐X1」を載せている。同1号機は30日に国際宇宙ステーション(ISS)へ到着した。
同衛星は主に五つのミッション達成を目指して周回軌道に投入される。
一つ目は材料の劣化観測。月面や火星に将来基地を建てることを想定し、それに用いる素材の経年変化を調査する。
二つ目は宇宙線の観測。太陽活動による宇宙線量の変化で、地球の大気への影響を計測する。
三つ目はJAMSAT(日本アマチュア衛星通信協会)と協力した新しい通信技術の実証。アマチュア無線家との通信や、従来よりも速い高速データ通信、「C帯」と呼ばれる波長の長い信号での送受信を検証する。
四つ目は台湾の成功大学が開発した高解像度カメラによる画像処理。AI(人工知能)を搭載し、画像認識などを行い軌道上で画像データ処理を実行する。
最後に「N.U Cosmic Campus」。芸術学部の布目幹人准教授(コミュニケーションデザイン)と連携し、芸術学部8学科の力を集結。バーチャル宇宙飛行士の搭乗や、付属習志野高と目黒日大高の吹奏楽部が奏でた音楽を宇宙から地球に送信する。
製作に携わった内田隆斗さん(理工学研究科航空宇宙工学専攻2)は「H3の振動に耐える構造を仲間と作り、打ち上げとISS到着に胸が熱くなった」と語った。







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