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学生生活に潜む犯罪に要注意! ー経済学部・防犯講話ー

 昨今、大学生が軽い気持ちで犯罪に手を染めてしまうケースが増えている。今年に入って注目されたオンラインカジノ。芸能人やスポーツ選手の利用が報道された。大麻が絡む違法薬物事件は逮捕される20代以下の割合が7割を占め、大学スポーツ界での事件も後を絶たない。さらに闇バイトでも多くの学生が逮捕されている。これらの犯罪は一度でも関わると人生を棒に振ってしまう。まずは危険性や違法性を正しく認識することが重要だ。(取材=中道誉悠)

警察官が学生に注意喚起
正しい防犯知識を身に付け、犯罪に巻き込まれないで

 経済学部では定期的に学生が犯罪に巻き込まれないための正しい防犯知識を身に付けることを目的に防犯講話を催している。開催時期は毎年長期休暇前の7月と12月の年2回。学外から講師を招いて行っている。
 7月15日に行われた防犯講話では警視庁神田署の生活安全課員が薬物乱用、闇バイト、オンラインカジノについて学生に注意を呼び掛けた。
 冒頭、薬物事案の検挙数の高止まりが続いている現状について説明。続いて薬物の入手ルートや違法性についても詳しく学生に伝えた。また、近年SNSなどで広まっている「大麻に害はない」「大麻に依存性はない」といった風説に対して、記憶障害や精神障害が科学的に証明され、依存性も個人差はあるが確実にあると話し、「害があるから取り締まり対象なのだ」と強調した。さらに各国で大麻が非犯罪化していることに対しても、「大麻に害がないという理由にはならない」「大麻が危険なことは事実で、それを否定してはいけない」と話した。
 闇バイトについては、基礎知識として多くの事件で関わっているとされる匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)の特徴から説明。その後、闇バイトに注意する三つのポイントを「簡単で高収入の仕事はない」「秘匿性の高いアプリに誘導されたら疑う」「個人情報を送信した場合、脅しの材料になる」と説いた。
 オンラインカジノに関しては最初に賭博罪、常習賭博罪に問われる犯罪であることをアピールした。その後、警察が検挙した時点で500万円の借金を抱えていた事例、金を借りようとして家族や友人との関係が悪化してしまうケースがあることに触れ、注意喚起した。

犯罪も時代により変化

 同講話を担当する学生課によると、2018年頃からこの取り組みを続けている。講話内容は警察に一任しており、時事性に富んだものになっている。コロナ禍前までは特殊詐欺で就活生が金をだまし取られる事例や空き巣やストーカーについてのテーマが多かったが、20年以降は話題が変化。SNSでのトラブルやサイバーセキュリティーといったテーマに移ってきているという。
 学生課の職員は「今の若い人はSNSなどを媒介することで罪の意識が薄れてしまう人が多い。このような取り組みを続けることで学生に周知していくことが大切」と訴える。
 また、同学部サークルの補助金書類の受け付けを防犯講話の前に行うことで、より多くの学生に話を聞いてもらえる工夫もしている。参加した学生は「今回話にあった三つのテーマについて危ないと再認識することができた」と話した。

薬学部が乱用防止教材

 薬学部では現在、中島理恵専任講師(社会薬学)が大学生向けの薬物乱用防止教育教材を作成している。内容はなぜ薬物を使う人がいるのか、大麻が合法化されている国があるのはなぜかなど。オーバードーズについても薬の不適切使用の一部としてテーマに入れているという。教材の公開時期は未定だが、インターネット上での公開を予定している。

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